倒産集計

2019年上半期報
2019年1月〜6月

倒産件数は3998件、2年連続の前年同期比減少
負債総額は7507億6000万円、2年連続の前年同期比減少

倒産件数 3998件
前年同期比 ▲0.8%
前年同期 4029件
負債総額 7507億6000万円
前年同期比 ▲17.6%
前年同期 9111億1700万円

主要ポイント

調査結果

■件数

2年連続の前年同期比減少、2005年上半期以来の低水準

2019年上半期の倒産件数は3998件(前年同期4029件)と、2年連続で前年同期を下回ったものの、減少幅は前年同期より縮小し、0.8%の微減となった。上半期としては、2005年(3834件)以来14年ぶりに4000件を下回った。四半期別では、第1・第2四半期ともに前年同期を下回った。
上場企業倒産は、(株)シベール(山形県、民事再生法、東証JASDAQ)が1件発生した。

■負債総額

2年連続の前年同期比減少

2019年上半期の負債総額は7507億6000万円(前年同期9111億1700万円、前年同期比17.6%減)と、2年連続の前年同期比減少となり、上半期としては2000年以降最小。四半期別では、第1・第2四半期ともに前年同期比2ケタ減となった。
負債トップは、パナソニック(株)の連結子会社で、ブラウン管の映像ディスプレイ装置などを製造していたMT映像ディスプレイ(株)(大阪府、特別清算、2月)の約1050億円。

■業種別

建設業、製造業など4業種で前年同期比減少

業種別に見ると、7業種中4業種で前年同期を下回った。
建設業(685件、前年同期比4.3%減)は、インフラ整備や再開発需要の拡大などを受け、3年連続の前年同期比減少。また、製造業(446件)は、好調な設備投資需要を背景に機械器具製造(93件、同17.0%減)などの減少が目立った。
一方、サービス業(971件、前年同期比1.4%増)は老人福祉(43件、同34.4%増)が大幅増となるなど、3業種は前年同期を上回った。

■主因別

「不況型倒産」の構成比78.2%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は3127件(前年同期比3.9%減)となった。構成比は78.2%(同2.6ポイント減)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比60.9%

負債額別に見ると、負債5000万円未満の倒産は2436件(前年同期比2.1%減)となった。負債5000万円未満の倒産を業種別に見ると、サービス業(676件)が構成比27.8%(同1.2ポイント増)を占め最多、小売業(655件)が同26.9%(同0.1ポイント減)で続く。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産は2669件(前年同期比2.2%増)、構成比は66.8%(同2.0ポイント増)を占めた。

■地域別

4地域で前年同期比減少も、四国など5地域は増加

地域別に見ると、9地域中4地域で前年同期を下回った。
北海道(121件、前年同期比2.4%減)は、インバウンドをはじめとする観光需要の拡大などを受け、小売業(23件)が前年同期比39.5%減。また、中部(547件、同12.1%減)は建設業(91件)のほか、自動車関連を中心に堅調な推移が続く製造業(58件)など6業種で前年同期を下回り、地域全体では3年ぶりの減少となった。
一方、4県すべてで増加した四国(92件、前年同期比33.3%増)や、復興需要などで低水準だった前年の反動もあった九州(316件、同13.3%増)など、5地域は前年同期比増加。

■態様別

民事再生法は5年ぶりの前年同期比増加

態様別に見ると、破産は3689件で92.3%を占めた。民事再生法は171件(前年同期比40.2%増)と、5年ぶりに前年同期を上回った。

■特殊要因倒産

人手不足倒産

2019年上半期は89件(前年同期比27.1%増)、4年連続の前年同期比増加

後継者難倒産

2019年上半期は206件(前年同期比11.4%増)、2年連続の前年同期比増加

返済猶予後倒産

2019年上半期は256件(前年同期比24.9%増)、2年ぶりの前年同期比増加

今後の見通し

■上半期の倒産件数は微減、業種・地域間でバラつき目立つ

2019年上半期(1〜6月)の倒産件数(3998件)は、建設業や製造業の減少が寄与し、前年同期比0.8%の微減と、上半期としては2005年(3834件)以来14年ぶりに4000件を下回った。業種や地域間ではバラつきがみられ、業種別では7業種中3業種が、地域別では9地域中5地域が前年同期を上回るなど、まだら模様な状態が浮き彫りとなった。
また、負債総額(7507億6000万円)は、上半期としては2016年(7677億9600万円)を下回り、比較可能な2000年以降での最小を更新した。負債額上位には、10〜20代女性向けアパレルブランド「RETRO GIRL」などを約100店舗展開していた(株)ラストステージ(旧:(株)エムズ、特別清算、福島県、負債約66億9200万円)のほか、「J.FERRY」を約30店舗展開していた(株)リファクトリィ(民事再生、東京都、負債約60億1300万円)、ショッピングセンターなどでベビー・子供服店を約100店舗展開していたマザウェイズ・ジャパン(株)(破産、大阪府、負債約59億6000万円)といったアパレル企業が目立った。ファストファッションの台頭や、ネット通販、フリマアプリの普及などを受け、今後も不採算店舗を多数抱えるアパレル企業の倒産は散発する可能性が高い。

■中規模クラスの倒産、10年ぶり増加

2019年上半期は、負債1億円未満の小規模倒産(2986件)が前年同期を2.5%下回った一方、負債1億円以上の倒産(1012件、前年同期比4.7%増)は、2009年上半期(同22.2%増)以来10年ぶりの前年同期比プラスに転じた。近年の緩やかな景気回復や、緩和的な資金調達環境を背景に、有利子負債を増やした企業が計画通りの収益を確保できなくなり、負債をさらに膨らませたことなどで、中規模クラスの倒産が相次いだ。
また、倒産に至った主因別の件数をみると、売り上げ不振や販売不振による倒産が大半を占める傾向は続いたものの、設備投資や事業の多角化など「経営計画の失敗」による倒産の割合が、負債1億円以上の倒産では7.1%を占め、倒産件数全体でも過去10年で最高(4.3%)となるなど、変化がみられた。低金利や人口減少により収益環境が厳しさを増している金融機関では、収益力の強化に向けて信用力が低めのミドルリスク企業向け融資を進めているケースもあり、こうした企業の業績動向次第では、今後さらなる倒産増加も懸念される。

■リスケ後倒産の動向注視

金融庁は6月28日、金融機関における貸付条件の変更等の状況について、2019年3月末まで直近1年間の実績を公表した。貸付条件の変更等の申込件数は減少傾向ながら74万件余にのぼり、申込件数に対する実行率は97%超と依然高水準で推移している。
こうしたなか、金融機関から返済条件の変更等(リスケジュール)を受けた企業による返済猶予後倒産は、2019年上半期に256件と前年同期を24.9%上回った。金融機関による資金繰り支援を受けながらも、抜本的な事業再生が進まないまま追加融資等も難しく、事業継続を断念せざるを得ない企業は増加傾向にあり、引き続きその動向が注目される。
人件費や物流費、原材料費などが上昇基調のなか、コスト負担を転嫁できずに利益を確保できていない企業も多い。年後半にかけては、中規模クラスの倒産がさらに件数全体を押し上げる可能性もあり、楽観視できない状況が続く見込み。

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