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レポート倒産の定義

日常的に使用する「倒産」という言葉は、法律用語ではありません。一般的には「企業経営が行き詰まり、弁済しなければならない債務が弁済できなくなった状態」を指します。具体的には、以下に挙げる6つのケースのいずれかに該当すると認められた場合を「倒産」と定めます。

  1. 銀行取引停止処分を受ける※1
  2. 内整理する(代表が倒産を認めた時)
  3. 裁判所に会社更生手続開始を申請する※2
  4. 裁判所に民事再生手続開始を申請する※2
  5. 裁判所に破産手続開始を申請する※2
  6. 裁判所に特別清算開始を申請する※2

※1 手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けた場合
※2 第三者(債権者)による申し立ての場合、手続き開始決定を受けた時点で倒産となる

倒産は会社を清算(消滅)させる"清算型"と、事業を継続しながら債務弁済する"再建型"に分けられます。
 清算型:「破産」「特別清算」、大部分の任意整理
 再建型:「会社更生法」「民事再生法」、まれに任意整理の一部

任意整理

倒産会社と債権者の任意の話し合いにより、会社の資産・負債などが整理される。この際、裁判所の法的な拘束を受けることはない。

法的整理

裁判所の関与と監督により、整理が行われる。

会社更生法

申請の対象は株式会社のみで、会社が消滅すると社会的に大きな影響のある上場企業や大企業の倒産に適用されるケースが大半である。旧経営陣は原則としてその後の経営に関与できなくなるが、経営責任のない場合に限り、経営に関与することができる。
裁判所は「更生手続きの開始決定」と同時に管財人を選任し、事業を継続しながら管財人の下で「更生計画」が作成される。更生手続きをうまく進めるためには事業管財人(事実上のスポンサー)の選任が鍵を握っており、その後の更生計画遂行の大きなポイントとなる。手続きが厳正・厳格に行われるため、手続き終結までに長期間を要していたが、2003年4月、民事再生法を踏まえ、手続きの迅速化・合理化を図るため、改正会社更生法が施行された。

民事再生法

和議法に代わり2000年4月から施行され、株式会社・有限会社のほか医療法人・学校法人などを含む全ての法人及び個人に適用される。経営破綻が深刻化する以前の早期再建を目的としている。申し立て人は通常債務者だが、債権者による申し立ても可能。経営権は原則として旧経営陣に残るが、利害関係人の申請または裁判所の職権により監督命令(経営者の後見的立場として監督委員が選任される)・管理命令(経営者に代わって管財人が選任され経営にあたる)が出される場合もある。再生計画の認可は、出席債権者数の過半数で届出債権額の1/2以上の同意が必要となっている。また届出債権の3/5以上の同意があれば、債権の調査確定手続きを省略できる(簡易再生)。届出債権者全員の同意があれば、ただちに計画の認可を受けることができる(同意再生)。

破産

倒産会社の財産全てを換価して、債権者の優先順位と債権額に応じて配当を行う強制執行手続き。債務者である倒産会社自らが申し立てる「自己破産」、倒産会社の役員が会社の破産を申し立てる「準自己破産」、債権者(第三者)が破産を申し立てる「第三者破産」の3つに分けることができる。破産手続き開始決定が出されると、裁判所は破産管財人(通常は弁護士)を選任し、以降の破産会社の管理は管財人が行う。管財人は、倒産会社の財産を管理し資産の売却や売掛金の回収によって換価し、債権者への配当の原資とする。

特別清算

申請の対象は株式会社などで、会社が解散登記されていることが前提となる。債務超過などで清算の遂行に著しく支障をきたす場合などに、裁判所の下で清算業務を進める形となる。解散登記により就任した清算人が整理の手続きを行い、債務弁済の金額・時期・方法などを定める協定案を作成する。破産手続きと大きく異なり、債権調査・確定の手続きがなく、財産換価も一定の金額までは清算人が自由にでき、小口債権者には裁判所の許可を得た上で協定外で弁済することも可能。