倒産集計

2018年度上半期報
2018年(平成30年)4月〜9月

倒産件数は4012件、2年ぶりの前年同期比減少
負債総額は7749億1000万円、2年ぶりの前年同期比減少

倒産件数 4012件 負債総額 7749億1000万円
倒産件数
4012件
負債総額
7749億1000万円
前期比 件数 ▲1.9% 前期 4088件
負債 ▲16.8 前期 9316億5700万円
前年同期比 件数 ▲4.4% 前年同期 4197件
負債 ▲53.4% 前年同期 1兆6615億6900万円
前期比
件数 前期
▲1.9% 4088件
負債 前期
▲16.8% 9316億5700万円
前年同期比
件数 前年同期
▲4.4% 4197件
負債 前年同期
▲53.4% 1兆6615億6900万円

〈注〉2017年度上半期の負債総額は、タカタ(株)の負債額を1兆823億8400万円(確定再生債権等の総額)として集計(2018年6月報より適用)

主要ポイント

調査結果

■件数

ポイント2年ぶりの前年同期比減少

2018年度上半期の倒産件数は4012件(前年同期4197件、前年同期比4.4%減)と、2年ぶりに前年同期を下回った。四半期別では、第1・第2四半期とも前年同期を下回り、月別では6カ月中5カ月で前年同月を下回った。

要因・背景

業種別では建設業や製造業など5業種で、地域別では北海道や近畿など5地域で前年同期を下回った

■負債総額

ポイント2年ぶりの前年同期比減少

2018年度上半期の負債総額は7749億1000万円(前年同期1兆6615億6900万円、前年同期比53.4%減)と、2年ぶりに前年同期を下回った。四半期別では、第1四半期が前年同期比72.7%の大幅減となり、月別では6カ月中4カ月で前年同月を下回った。


要因・背景

■業種別

ポイント建設業、製造業など5業種で前年同期比減少

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同期を下回った。なかでも、建設業(703件、前年同期比10.7%減)、製造業(451件、同16.3%減)の2業種は、半期ベースで2000年度以降最少。一方、サービス業(969件、同1.0%増)が3年連続増となるなど、2業種は前年同期を上回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」の構成比79.0%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は3169件(前年同期比7.7%減)となった。構成比は79.0%(同2.8ポイント減)を占めた。

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の倒産が61.8%、半期ベースで2000年度以降最高

負債額別に見ると、負債5000万円未満の倒産は2478件(前年同期比2.6%減)となった。構成比は61.8%(同1.2ポイント増)を占め、半期ベースで2000年度以降最高。

要因・背景

■地域別

ポイント北海道、近畿など5地域で前年同期比減少

地域別に見ると、9地域中5地域で前年同期を下回った。なかでも、北海道(106件、前年同期比19.7%減)、近畿(988件、同11.3%減)の2地域は、前年同期比2ケタ減となった。一方、東北(187件、同5.6%増)が3年連続増となるなど、4地域は前年同期を上回った。

要因・背景

■態様別

ポイント民事再生法は半期ベースで2000年度以降最少

態様別に見ると、破産は3777件(前年同期比3.8%減)となった。会社更生法による倒産は1件発生。民事再生法は103件(同13.4%減)と、半期ベースで2000年度以降最少となった。

要因・背景

■上場企業倒産

2018年度上半期の上場企業倒産は、東証1部上場の日本海洋掘削(株)(会社更生法、6月)の1件となった

■注目の倒産動向

人手不足倒産

2018年度上半期は76件(前年同期比40.7%増)、2年連続の前年同期比増加

後継者難倒産

2018年度上半期は209件(前年同期比27.4%増)、2年ぶりの前年同期比増加

返済猶予後倒産

2018年度上半期は206件(前年同期比12.0%減)、3年ぶりの前年同期比減少

今後の見通し

■倒産件数は4012件で2年ぶりに減少

2018年度上半期の企業倒産は4012件(前年同期比4.4%減)となり、上半期として2年ぶりに減少した。特に土木・建築工事を含む建設業は2000年度以降で最少を記録、さらに金属製品等を含む製造業が倒産件数の減少に寄与する結果となった。多数のオーナーが被害を受けたシェアハウス展開のスマートデイズ(負債60億3500万円、東京都、破産)や債権者が3万3000人を超える各種商品通信販売のケフィア事業振興会(負債1001億9462万円、東京都、破産)グループなどのB to C関連の大型倒産のほか、上場企業倒産では東証1部の海洋資源掘削業者である日本海洋掘削(負債904億7300万円、東京都、会社更生)が目立った。

■相次ぐ自然災害、急がれる事業継続への対応策

2018年度上半期は、豪雨や地震、複数の大型台風の上陸など、各地で相次ぎ発生した自然災害が深刻な事業リスクとなった。過去には、直接被災せずとも自然災害を契機とした企業活動の停滞や経営破たんなどが発生しているが、一方で、事業継続計画(BCP)の策定企業は1割程度と依然として少なく、防災・減災対策、災害発生時や発生後の対応措置に関する準備などが進んでいない実態も明らかとなっている(帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2018年)」)。中小企業では企業の存続や事業継続に不可欠となるBCPの策定に必要なノウハウや人材・時間などが不足している。そのため、企業だけでなく政府や行政によるこうした課題の解消に向けた施策の実行が急がれよう。

■地域経済の生産性向上、地域金融機関の活用がカギを握る

地域経済の生産性向上に向けた動きが活発化している。金融庁は9月26日、2018事務年度(2018年7月〜2019年6月)における重点施策をまとめた金融行政方針を発表した。同方針では、投資用不動産向け融資の監督強化や金融デジタライゼーションの環境整備、仮想通貨市場の厳正化・国際化、マネーロンダリング対応などの強化が掲げられた。また、地域企業・経済の実態を把握する「地域生産性向上支援チーム」が金融庁に新設され、分析結果などを地域金融機関で活用する仕組みの構築が図られたことも注目される。地域銀行の過半数で本業利益(貸出・手数料ビジネス)が赤字となるなか、金融仲介機能の発揮等により、地域経済の活性化を促す地域金融機関の取り組みが今後の企業業績に大きく影響するとみられる。

■倒産動向は抑制された状態で推移すると見込まれるも、景気下振れリスクに懸念

国内景気は、堅調な設備投資や輸出のほか、賃金上昇や消費税率引き上げ前の駆け込み需要、東京五輪、復旧・復興需要などはプラス要因となろう。他方、天候不順に伴う価格上昇や米中貿易摩擦の激化、新興国経済の減速など、下振れリスクも多い。
他方、企業の人手不足は深刻度を増している。帝国データバンクの2018年9月調査では企業の51.7%が人手不足に直面するなか、2018年度上半期の人手不足倒産は76件(前年同期比40.7%増)判明、大幅な増加が続いている(同「『人手不足倒産』の動向調査(2018年度上半期)」)。人手不足が経営に与える影響は今後も注視していく必要があろう。
こうした状況のなか、金融機関による返済猶予への柔軟な支援は倒産を抑制する要因となっており、今後もこうした流れに大きな変化はないものとみられる。そのため、当面の倒産動向は抑制された状態で推移すると見込まれ、2018年度の倒産件数は概ね2017年度並みの8000〜8300件程度になると予測される。

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