2022/6/8
企業の価格転嫁の動向アンケート(2022年6月)
100円のコストアップで、売価への反映44円にとどまる
〜 企業の15.3%が『全く転嫁できず』、特にトラック運送で厳しく 〜
はじめに
新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢などを背景とした原材料費の高騰に加え、円安の進行などさまざまな要因で仕入れコストが上昇している。こうしたなか、下請け企業がコスト増加分を取引価格に転嫁しやすくするために、経済産業省は5月24日に開いた中小企業政策審議会の専門委員会に、「下請中小企業振興法」の基準の改定案を示すなど、特に中小企業における価格転嫁促進策が積極的に推進されている。
そこで、帝国データバンクは、価格転嫁に関するアンケートを行った。
■アンケート期間は2022年6月3日〜6日、有効回答企業数は1,635社(インターネット調査)
調査結果
- 1 自社の主な商品・サービスにおいて、仕入れコストの上昇分を販売価格やサービス料金に『多少なりとも転嫁できている』企業は73.3%となった。一方で、『全く価格転嫁できていない』企業は15.3%だった
- 2 「価格転嫁率 」は44.3%と半分以下にとどまった。これは仕入れコストが100円上昇した場合に44.3円しか販売価格に反映できていないことを示している。特に、一般貨物自動車運送などを含む「運輸・倉庫」の価格転嫁率は19.9%にとどまっている
