2022/4/21
2022年1-3月 全国企業「休廃業・解散」動向調査
企業の休廃業、あきらめ→「ギブアップ」へ 前年から減少も潮目が変化
〜 全業種で減少も、建設・不動産では底打ちから増加の可能性高まる 〜
はじめに
政府や金融機関による巨額支援の投入は、56年ぶりの低水準となった倒産同様に、企業の休廃業を大きく抑え込んだ。しかし、今年からは約半数の企業で資金繰りを支えたコロナ融資の返済がスタートを迎える。さらに、ロシアのウクライナ侵攻を発端とした原料や燃料価格の高騰が経営を圧迫するなど、経営環境は一層厳しさを増している。
今後は、これまでも厳しい経営環境下を耐え忍んできた経営者が、いまだ見通せない先行きに対し、事業継続のモチベーションを維持していけるかが懸念される。特に後継者問題や事業改革など、従前からビジネスモデルに課題を多く抱えていた企業では、先行き不透明感から自ら事業を断念する「ギブアップ廃業」が、2021年以上に増加するシナリオが最も懸念される。
■帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計
■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称
■調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計する事もある
調査結果
- 1休廃業・解散は引き続き減少 1-3月として過去最少も底打ちの兆し
- 2全業種で減少も、「建設・不動産」は底打ち感 今後増加へ転じる可能性も
