2019/4/25
新規株式上場(IPO)意向調査(2019年)
IPO意向のある企業、前年比78社減の198社
〜 東京の社数が半減、マザーズ上場意向に陰りか 〜
はじめに
2018年の株価は上値が重い展開となり、IPO件数も前年比横ばいにとどまった。
2019年に入っても、株式市場をとりまく環境は芳しくない。TDB景気動向調査による国内景気DIは、2018年12月から2019年3月まで4カ月連続で悪化しており、今後は10月に控える消費税増税の影響も懸念される。
そのようななか、帝国データバンクでは、保有する企業情報のなかからIPOの意向を持つとみられる企業を抽出し、アンケート調査を実施した。
なお、本調査は1998年12月以降毎年実施しており、今回で22回目となる。
【調査期間】2019年3月7日〜3月20日
【調査方法】郵送調査
【調査対象】下記(1)〜(3)のうち、いずれかに該当した未上場の4,986社
(1) 前回調査(2018年)において、IPOの意向を確認済み
(2) 帝国データバンク「企業信用調査」において、IPOの意向を確認済み
(3) ベンチャーキャピタルからの出資を確認済み
【分析対象】 198社(IPOの意向が「ある」と回答した企業のみ)
調査結果
- 1 IPO意向のある企業は、198社判明した。前年調査からは78社減少した
- 2 業種別では、「サービス業」が48.0%(95社)と半数近くを占めた。なかでも「情報サービス業」は全体の19.7%(39社)を占め、けん引役となっている。一方、「不動産業」、「建設業」、「卸売業」などの構成比が低下した
- 3 地域別では、「関東」が42.9%(85社)と最も多かったが、「東京都」(32.8%、65社)が前年調査より14.3ポイント減少。東京都の構成比が30%台となるのは15年ぶり
- 4 IPOの目的では、「知名度や信用度の向上」が73.7%(146社)「優秀な人材の確保」が68.2%(135社)を占めた。「資金調達力の向上」は3年連続で減少し、42.9%(85社)にとどまった
- 5 IPO予定市場では「東証マザーズ」が47.5%(94社)で最多も、前年調査からは7.9ポイント減少。東証の再編案が影響した可能性もある