2023/6/21
企業のDXへの取り組みに関する動向調査
DX対応済の企業16.4%にとどまる
〜 規模間格差が大きく、人手不足が深刻なほど対応進む 〜
はじめに
会話型AI(人工知能)サービスや画像生成AIサービスなど、生成系AIの技術が急速に進歩し、世間を賑わせている。膨大なデータを学習した生成AIを活用して文章や画像、デザインなどを新たに創造するサービスは、これまでのビジネスの常識を覆すほどの効果があると言われ、導入を本格的に検討する企業が急増している。
企業には、生成AIを含めてデータとデジタル技術を活用して自社の製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、競争力を高めるDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが求められる。しかし、日本の国際的なデジタル競争力は低下が続いており、官民においてデジタル分野への取り組みは喫緊の課題となっている。
帝国データバンクでは、2022年5月よりSDGsやBCP、DXに関する企業の取り組み状況について情報収集を行い、データベース化を進めている。本調査は民間企業のDX利用実態を把握すべく、DXへの対応状況について個別にヒアリングできている12万5,242社を自社データベースから抽出、そのうちDXに対応していると回答した企業2万548社を分析対象とした。売り上げ規模や従業員数、主な業種のほか、人手不足下における対応状況について調査・集計した。なお、本調査での「DX」はペーパーレス化やIT化などの対応等、DXに向けた準備段階のものを含んでいる。
調査結果
- 1 DXへの取り組み、売り上げが大きくなるほど進むが、「100億円以上」でも半数
- 2 従業員数「1001人以上」では3分の2がすでに対応も、「20人以下」は1割に届かず
- 3 「銀行」は8割以上で対応済、商社や通信、情報サービス関連業種も上位に
- 4 人手不足の企業でDX対応進む
- 5 小規模企業は“成長性”、中小企業は“生産性”が高いほどDXへの対応進む
