2022/6/14
事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2022年)
BCP策定率17.7%、スキル・ノウハウ不足が課題
〜 想定リスク、サイバー攻撃や物流網の混乱が急増 〜
はじめに
事業継続計画(BCP)とは、「企業が自然災害、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続ないし早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段を取り決めておく計画」1である。
新型コロナウイルスの感染拡大や、サプライチェーンの混乱、2022年以降ではロシアのウクライナ侵攻、近時は愛知県における明治用水の漏水による影響など、企業の事業継続リスクは年々増大している。企業においては平常時からこうした緊急事態に備え、BCPを準備しておく必要がある。
そこで、帝国データバンクは事業継続計画(BCP)に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年5月調査とともに行った。
■1https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html
■調査期間は2022年5月18日〜5月31日、調査対象は全国2万5,141社で、有効回答企業数は1万1,605社(回答率46.2%)。なお、事業継続計画(BCP)に関する調査は2016年以降、毎年実施し、今回で7回目
■本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
- 1 BCPを「策定している」企業は17.7%(前年比0.1ポイント増)と前年からほぼ横ばいとなった。企業規模別でみると、大企業は33.7%(同1.7ポイント増)と上昇した一方、中小企業は14.7%(同横ばい)となった
- 2 BCPの『策定意向あり』とする企業のうち、事業継続が困難になると想定するリスクでは、「自然災害」が71.0%でトップ。新型コロナウイルスなど「感染症」(53.5%)は前年から大幅に低下した一方、「情報セキュリティ上のリスク」(39.6%)、「物流の混乱」(30.4%)、「戦争やテロ」(19.0%)といった項目が大幅に上昇した
- 3 BCPを「策定していない」企業は42.1%(前年比0.4ポイント減)となった。BCPを「策定していない」理由では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(42.7%)、「策定する人材を確保できない」(31.1%)などが上位にあがった
