与信管理運用の基礎第13回:危ない会社のチェックリスト
危ない企業チェックリスト
今回は、危ない企業チェックリストというものを掲載します。
前回の営業担当者のチェックポイントと重なる部分もありますが、改めて確認してみてください。
このチェックリストは、新規取引を始める時、あるいは既存取引先での信用を確認する時に、営業担当者と審査担当者が取引先をチェックする項目になっていま す。これをチェックすれば、新規取引の際の情報の1つになりますし、危ない兆候への気付きに繋がります。気になる取引先があれば、ぜひお試しください。
社長・役員
- □ワンマン経営である。
- □倒産歴がある。
- □内紛がある。
- □公職など経営とは関係のない肩書きが多すぎる。
- □不在のことが多い。
- □素行面で妙な噂がある。
- □家庭が円満でない。
- □仕事より優先しているものがある。
- □極端に労働組合を嫌っている。
- □ブレーンが機能していない。
- □社長・役員に活力がない。
- □業界での経験が不十分。
- □市場動向、コスト意識など発想に客観性がない。
- □経営バランス感覚が不十分。
- □意思決定が遅い。
- □公私混同が目に余る。
- □従業員をけなすようなことがある。
- □意志が弱い、人が良すぎる。
- □有能な幹部が退職している。
従業員
- □従業員の退社が目立っている。
- □経理担当者が不在がちだったり退職している。
- □従業員の社長や幹部に対する悪口が増えている。
- □中堅社員の酒を飲む機会が増えている。
- □所在なげにしている従業員がいる。
- □接客や電話応答に身が入らない。
商品・技術・サービス
- □商品構成にバランスが取れていない。
- □企画・開発力が劣っている。
- □コスト競争力が劣っている。
- □商品クレームが恒常化している。
- □納期が守られていない。
- □成熟商品である。
- □在庫に極端な増減がある。
- □類似商品が多く出回っている。
- □荷動きに不審な点がある。
- □在庫管理が適正でない。
- □特定の取引先への安売りがある。
- □業種・取引高に不審がある。
- □ダンピング、出血受注をしている。
- □商品が季節的要因に左右されやすい。
- □過大な設備投資がある。
- □過度な安売りをしている。
- □設備投資の分だけ売上が増えていない。
- □検収が甘くなっている。
- □サービスがないがしろになっている。
- □原材料の入手に苦慮している。
- □得意先の安定度がない。
- □市場が限定(狭すぎる)されている。
- □単品技術を過信している。
- □押込販売をしている。
- □買い急ぎや売り急ぎがある。
- □仲間取引が急増している。
財務・資金繰り関連
- □売上高の横這い、減少が3年以上続いている。
- □3期連続の赤字となっている。
- □売上増に疑問がある(粉飾)。
- □財務諸表に急変がある。
- □売上に占める交際費が多い。
- □金利負担の増加に疑問がある。
- □1年以内に月商の2分の1位以上の焦げ付きが発生している。
- □借入金が月商の3倍以上である。
- □保証債務が目立って多い。
- □取引行との関係が悪化している。
- □取引銀行の格や数が適正ではない。
- □小口の支払いを手形で支払っている。
- □決済日が増加している。
- □仕入先からの受取手形がある。
- □手形が市中金融に流れている。
- □多重リースの疑いがある。
- □減価償却が適正ではない。
- □融通手形の噂がある。
- □税金の滞納がある。
- □当座預金の出入りに不自然な増減がある。
- □売掛金の回収サイトが長期化している。
- □商工ローン、消費者金融を利用しはじめた。
- □不動産の担保権者に個人名が入っている。
- □担保権者が目まぐるしく変わっている。
その他
- □本業外への投資が目立っている。
- □事務所やトイレが清潔ではない。
- □不審な人物が出入りしている。
- □同業者組合に参加していない。
- □政治家、芸能人、暴力団とのつきあいがある。
- □会議が急に多くなっている。
- □人材育成がないがしろにされている。
- □極端な経費節減をいい出している。
- □安易な転業をしている。
- □規模の割に子会社(関連会社)が多すぎる。
- □関連会社間での利益調整がある。
- □同業者や近隣での噂に不審なものがある。
- □イメージ先行型の社名変更が頻繁にある。
- □広告の急増、激減、誇大広告がある。
- □強力なライバルが出現している。
- □商号変更や本店所在地の移転が多い。
- □扱い商品が目まぐるしく変化している。
- □取引先が急に変更されている。
- □構造不況業種である。
- □銀行や信用調査機関などへの照会が多い。
- □極端な秘密主義である。
- □社会的制約、法的規制が進んでいる業界である。
- □立地条件に不利がある。
- □海外進出がうまくいっていない。