第2回:マーケティングの基本プロセス「R・STP・MM・I・C」
R・STP・MM・I・Cのプロセスに沿って、マーケティングを具体化
前回は、マーケティングの定義の一つである『ニーズに応えて利益を上げること』について紹介しました。
しかしながら、定義だけでは具体的に何をどう進めていくのかをイメージすることは難しいと思います。 そこで今回は、コトラーが提唱する「R・STP・MM・I・C」と呼ばれるプロセスを紹介します。(注:1)
R・STP・MM・I・Cとは、英単語の頭文字を取った造語です。
このプロセスは、社内外を含めた環境を理解し、自社が攻める市場を選定する戦略を立てるプロセス、市場へ働きかけをマーケティング・ミックスの視点から戦術を立て、実践していくプロセスの二つに分かれます(図1参照)。
図1 マーケティングプロセスの各工程と内容

まず、戦略を立てるプロセスですが、
調査(R)のステップでは、市場・競合・自社の観点から、マクロ環境分析やミクロ環境分析を行います。
TDBでは企業信用調査を主として、郵送調査・電話調査・インターネット調査など、個別企業の目的に応じた調査実績があり、本講座ではBtoBマーケティングにおける調査の具体例を紹介していく予定です。
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)のステップは、分析結果に基づき、市場の選択や分類(=セグメンテーション)を行い、自社商品を投入するセグメントを選定(=ターゲティング)したのち、提供する商品の他社との優位性(=ポジショニング)を明確にします。
このステップのうち、セグメンテーションは攻めるべき市場を設定するため、マーケティング活動で行われる意思決定の中でも重要な位置づけにあたります。セグメンテーションの切り口として企業属性を活用することが非常に多くありますが、本講座ではTDBが保有する企業情報を活用した事例を紹介していく予定です。
次に、戦略を実践していくプロセスですが、
マーケティングミックス(MM)のステップは、R、STPで明確化された戦略を具体化するステップで、フレームワークを用いて情報を整理することが一般的です。代表的なフレームワークとしては、4Pや4Cなどがあります(図2)。
なお、4Pと4Cは整理するべき情報は同じですが、考える視点が売り手なのか買い手の視点なのかで異なります。
図2 マーケティング・ミックスのフレームワーク

実施、管理(I、C)のプロセスは、実行し、その結果を次の機会にフィードバックするためのプロセスですが、本講座では、調査(R)、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)を中心に取り上げたいと思います。
次回は、調査(R)ステップにおける「マクロ環境分析」について、掲載する予定です。
<参照>
注1: 中野 明”今日から即使える コトラーのマーケティング戦略54”.2011.朝日新聞出版,P30,31