ビジネス講座

2007/07/30いま注目の企業価値評価第1回:企業価値の重要性

近年、企業価値や企業価値を意識した経営が注目されています。それぞれ企業価値:“企業の値段”であり、企業を“貨幣金額”で表現したもの企業価値を意識した経営:少ない資産や労力で最大の収益を上げ続ける経営のことです。

どのような企業であれ社会の公器としてやっていく以上、「企業価値を目標に置き、それを達成するにはどのようにすれば良いか」を考えて経営することは重要です。企業価値は、経営戦略のベンチマークとすべきもので、企業は常に企業価値を高める努力をしなければなりません。

企業価値という言葉は、新しい言葉のように感じられるかもしれませんが、最近出てきたものではありません。これまでも総資本経常利益率、ROEなど、その時々に合った企業価値と言われる指標が作られてきました。時代に合わせて企業価値のモノサシが変化しているのです。
近年はキャッシュフローベースのモノサシが主流となっており、企業価値の定義も『将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計』のように言われることが多々あります。

企業価値というと、近年盛んなM&AやTOBなどから、上場企業のイメージが強いと思われます。確かに上場企業の場合、株式時価総額というマーケットのモノサシがあり、M&AやTOBの際の売買価格は、このモノサシを基に決められます。株式時価総額が大きいほどM&A時には有利になりますし、最近多く見られる“敵対的TOB”の標的にもされにくくなります。よって上場企業は、株式時価総額をできるだけ大きくしようとします。

しかし未公開企業や中小企業には、株式時価総額というモノサシが存在しないため、企業価値は計算によって求めるしかありません。また中小企業にキャッシュフローという概念があまり浸透しておらず、売上や資産保有に偏った経営の企業が多くあります。これらのことから次のような中小企業経営者が多く見受けられます。

  1. ■自社の価値を把握していない
  2. ■価値という概念を理解していない、または誤解している
  3. ■価値に無関心

しかし、企業価値は何もM&A関係者や大企業だけのものではありません。次のような理由により未公開企業や中小企業でも重要です。

  1. ■未公開企業のM&Aの増加
  2. ■中小企業の老舗倒産や後継者難による倒産の増加
  3. ■金融機関がキャッシュフローを融資判断のモノサシに使用

未公開企業のM&Aの増加

2006年のM&A成約件数は2,775件であり、近年大きく増加しています。その中での未公開企業の割合は、1,995件と全体の約7割にも達します(株式会社レコフ調べ)。しかも未公開企業の場合、M&Aがオフィシャルになることが少なく、実際の件数はもっと多くあると考えられます。

M&A件数の推移

中小企業の老舗倒産や後継者難による倒産の増加

2005年以降倒産件数は増加傾向にある一方、負債総額は減少傾向にあります。なかでも負債額1億円未満の倒産件数が増加傾向なのに対し、1億円以上は減少しています。中小企業や地方への景気回復が遅滞していることが原因です。特に開業後30年以上の老舗倒産が増加傾向にあり、後継者難が倒産原因になっています。このような中で、企業を他社に売却して存続させようとするケースも多くあります。しかし中小企業の場合多くが売れ残ってしまい、10件に2〜3件しか売れないとも言われています。つまり売れ残り、再建できずに倒産してしまう中小企業が多く存在しているのです。売れ残る原因のひとつが、“中小企業の低い価値”や“自社の価値の過剰評価”です。

半年期別 倒産件数と負債総額の推移

注)集計対象は法的倒産のみ。ただし2005年上半期以前の数値は参考値。2005年4月以降集計対象を変更したため、2001年上半期〜2005年上半期の数値との単純比較はできない

金融機関がキャッシュフローを融資判断のモノサシに使用

近年、金融機関がキャッシュフローを融資判断の材料としているケースは多々あります。担保主義からの脱却と、将来のキャッシュフローが融資の返済原資となるためです。従って、『将来のキャッシュフローを多く生み出す=価値が高い』企業は、融資の際にも有利になる可能性があります。

つまり中小企業でも、M&Aや企業価値と無縁ではありません。『将来のキャッシュフローを多く生み出すこと=価値が高い企業になること』は、企業の大小や、株式を公開しているか否かに関わらず、重要なことなのです。いざとなってから慌てるのではなく、常に“価値”を意識し、“価値の高い企業”を目指すことが大切です。

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