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2013/03/15IFRS実務対応 1 最新情報第30回:IFRS13公正価値測定に関する教育マテリアル(非上場株式の評価(その6) )

今回は、前回に引き続きIFRS財団が2012年12月21日に公表したIFRS13に関する教育マテリアル「IFRS9号『金融商品』の範囲に含まれる市場価格のない資本性金融商品の公正価値の測定」(“Educational material on fair value measurement Measuring the fair value of unquoted equity instruments within the scope of IFRS 9 Financial Instruments(*1) ”)(以下、マテリアル)を取り上げます。

前回は概略をご紹介しましたが、今回はより具体的な内容をご紹介します。さらに、マテリアルの中には設例も多数含まれており、その内容は実務上の判断の参考になると思いますので、設例についてもいくつかご紹介したいと思います。

(*1)原文はIFRS財団のウェブサイトを参照して下さい。

評価技法(1)‐マーケット・アプローチ(*2)

マーケット・アプローチは、同一の又は比較可能な資産・負債の市場価格やその他市場から得られる情報を基礎として公正価値を算定するアプローチであり、その代表的な手法としては類似会社比準法(マルチプル法)が挙げられます。

このマルチプル法の適用について、マテリアルは4つのステップを示しています。

上記は一般的なマルチプル法の適用方法を示したものですが、マテリアルでは、非上場株式について限定的な財務情報しか入手できない場合のマルチプル法の適用について、設例を用いながら説明を行っています。例えば、マテリアルの設例10では、限定的な財務情報しか入手できないケースにおいて、過去の財務情報の対象期間と同一の期間について算出した市場価格倍率を用いて非上場株式の公正価値を算出する例が示されています。

(*2)マテリアル第26項以降を参照して下さい。

評価技法(2)−インカム・アプローチ(*3)

インカム・アプローチには様々な手法がありますが、最も代表的なインカム・アプローチの手法は割引キャッシュ・フロー法(DCF法)です。DCF法では、投資先の将来キャッシュ・フローを現在価値に割引くことで株式の評価を行う方法です。マテリアルで説明されているのはいわゆる企業価値アプローチと言われる方法で、投資先企業のフリー・キャッシュ・フローを加重平均資本コストを用いて現在価値に割引く方法です。


この手法を用いるにあたって重要なのは、投資先の財務情報が限定的にしか入手できない場合に、どのようにDCF法を適用するかという点です。


冒頭でも述べましたが、インカム・アプローチの最も代表的な方法はDCF法ですが、マテリアルではこれ以外のインカム・アプローチがどのような場合に適する方法かという点についても言及しています。

(*3)マテリアル第70項以降を参照して下さい。

評価技法(3)−混合アプローチ(修正純資産法) (*4)

修正純資産方式の場合、投資先の事業の公正価値をその資産及び負債(認識及び未認識い含む)の公正価値を参照して算出します。マテリアルはこの技法が主に適するのは、投資先が資産を広範な事業に配置するのではなく、資産の保有自体から生じる投資先であるとしています。その例として、マテリアルでは修正純資産法による技法が適切な投資先として次のような投資先を挙げています。

修正純資産法の具体的な適用例は設例25に示されていますが、この設例において、修正純資産法による公正価値算出の概略は以下のようなものです。

(*4)マテリアル第125項以降を参照して下さい。

【参考文献】

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