2022/10/1
「食品主要105社」価格改定動向調査(10月)
10月の値上げは今年最多の6700品目 値上げ率は年内2番目の高さ
〜 値上げラッシュは10月にピークアウトも予断許さず 〜
はじめに
帝国データバンクの試算では、これまでの食品値上げによって少なくも1世帯当たり年間7万円の負担増となるなど、家計への影響が深刻化しつつある。こうしたなか、足元では、政府による輸入小麦価格の据え置きに加え、下落が続いたドル円相場に対する政府介入、景況感の減速により下落が予想される原油価格など、今年の主だった値上げ要因に沈静化の兆しがある。そのため、パンなど小麦価格高騰が反映された春先の「値上げラッシュ」再来は当面の間回避できる可能性が高く、年内の値上げは10月を最後に一旦はピークアウトするとみられる。
一方、10月から大幅な価格引き上げが予定される電気・ガス代に加え、飼料価格の上昇による生乳価格の引き上げなど新たな値上げ要因も出始めている。特に電気・ガス代については「これまでの価格転嫁には含まれていない」といった企業もあり、今後の値上げ動向を左右するカギとなりそうだ。円安水準や原油価格なども現状からバランスが大きく崩れた場合、来年以降に再び断続的な「値上げラッシュ」が到来する可能性は否定できず、しばらくは予断を許さない状況が続く。
■品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウントした。値上げ率は発表時点における最大値を採用した。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む
調査結果
- 1 輸入小麦・原油価格など主な値上げ要因は沈静化の兆し、電気代など新たな値上げ要因に注目
- 2 10月は年内値上げのピークに 値上げ6700品目は今年最多規模
- 3 乳製品で11〜12月に値上げ相次ぐ 生乳価格上昇でパック牛乳など対象
