倒産集計

2020年 3月報

倒産件数は744件、7カ月連続の前年同月比増加
負債総額は890億1900万円、3カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数 744件
前年同月比 +14.3%
前年同月 651件
負債総額 890億1900万円
前年同月比 +15.7%
前年同月 769億2700万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

倒産件数は7カ月連続の前年同月比増加

倒産件数は744件(前年同月比14.3%増)と、7カ月連続で前年同月を上回った。7カ月以上の連続増加は2008年6月〜2009年8月(15カ月連続)以来。
負債総額は890億1900万円(前年同月比15.7%増)と、3カ月ぶりに前年同月を上回ったものの、3月としては前年同月(2019年3月、769億2700万円)に次ぐ過去2番目の低水準。

■業種別

建設業、小売業など5業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を上回った。なかでも建設業(134件、前年同月比25.2%増)は、資材価格の高騰や労務外注費の増加による収益悪化で、7カ月連続の前年同月比増加。小売業(161件、同15.0%増)は、消費税率引き上げなどの影響で来店客の落ち込みがみられた飲食店(76件)が前年同月比33.3%増。サービス業(175件、同18.2%増)は、療術業などの医療業(22件、同120.0%増)で増加が目立った。  
一方、卸売業(113件、前年同月比0.9%減)、運輸・通信業(20件、同25.9%減)の2業種は前年同月を下回った。

■主因別

「不況型倒産」は600件、構成比は80.6%

主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は600件(前年同月比17.2%増)となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。構成比は80.6%(同2.0ポイント増)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比63.2%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は470件(前年同月比20.8%増)、構成比は63.2%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(122件)が構成比26.0%(同0.2ポイント減)を占め最多、小売業(120件)が同25.5%(同0.7ポイント減)で続く。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が507件(前年同月比17.6%増)、構成比は68.1%を占めた。

■地域別

9地域中6地域で前年同月比減少

地域別に見ると、9地域中6地域で前年同月を下回った。
中部(75件)は、建設業(9件、前年同月22件)やサービス業(14件、同27件)などが減少し、4カ月連続で前年同月を下回った。関東(235件)は、埼玉県(16件、同43件)で建設業やサービス業が大きく減少したほか、茨城県(10件、同18件)で建設業や卸売業が減少し、前年同月比14.5%減。北陸(16件)は、新潟県(8件、同14件)が4カ月連続で減少したほか、全ての県で前年同月を下回った。
一方、東北(35件)は小売業やサービス業、九州(64件)は製造業やサービス業が増加し、どちらも3カ月連続で前年同月を上回った。

■態様別

「破産」は688件、構成比は92.5%

態様別に見ると、破産は688件(構成比92.5%)、特別清算は21件(同2.8%)となった。民事再生法は34件で、このうち21件を個人事業主が占めた。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは32.5、過去最大の下落幅で6カ月連続の悪化

2020年3月の景気DIは前月比6.2ポイント減の32.5となり6カ月連続で悪化した。2014年4月(同4.2ポイント減)を超える過去最大の下落幅となった。
3月の国内景気は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な広がりをみせるなか、全業種・全規模・全都道府県の景況感が大幅に悪化した。感染拡大の防止対策として外出自粛やイベントの中止・延期、訪日客の入国・行動制限などによりヒト・モノ・カネの流れが停滞したことで、経済活動は大きく制約された。特に旅行客の急減などを受けて「旅館・ホテル」の景況感は過去最低の水準に落ち込んだ。また季節需要の減退や消費税率引き上げによる影響の継続、金融市場の大幅な変動も国内景気の下押し要因となった。

海外動向や新型コロナウイルスなど不確実性が高まり、後退が続く見込み

今後の国内景気は、新型コロナウイルスの広がりや収束が景気の先行きを左右する。海外における社会・経済活動の停滞のほか、2021年への東京五輪の延期など、不確実性の高まりが懸念材料である。さらにポイント還元事業終了など家計負担の増加に加え、企業収益の悪化などは景気の重しとなろう。また部品供給の途絶によるサプライチェーン寸断からの復旧・再編が進む可能性もある。他方、政府の補正予算執行や5G(第5世代移動通信システム)の本格化、生産の国内回帰などは好材料になると見込まれる。
今後は、海外動向や新型コロナウイルスなど不確実性が高まり、後退が続くとみられる。

今後の見通し

■倒産件数は2年ぶりの増加、負債総額は過去最小

2019年度(19年4月〜20年3月)の倒産件数(8480件、前年度比5.3%増)は、2年ぶりに前年度を上回った。単月ベースでは、2019年5月、8月を除く10カ月で前年同月を上回り、半期ベースでは、2008年度以来11年ぶりに下半期がプラス(前年同期比6.5%増)に転じた。小規模倒産の増加が目立ち、負債5000万円未満の件数は62.3%を占め、比較可能な2000年度以降で最高だった前年度の比率(61.4%)をさらに上回った。業種別では、食料品や衣料品など、製造業(976件、前年度比8.1%増)が10年ぶりに増加に転じたほか、慢性的な職人不足で労務費負担が増している建設業(1452件、同5.6%増)や、消費税率引き上げの影響が懸念される小売業(1990件、同8.9%増)で増加が目立ち、倒産件数全体を押し上げた。
負債総額は1兆2187億8900万円と、負債1000億円超の倒産が2014年度以来5年ぶりに発生しなかったことなどから、最小だった前年度(1兆5548億900万円)をさらに下回った。

■後継者難倒産が2年連続増、最多を更新

経営者の突然の体調不良や死亡などを契機に事業を断念せざるを得なくなったなどの「後継者難倒産」は479件と、調査開始以降の最多だった前年度(420件)を14.0%上回り、負債総額は485億4800万円にのぼった。経営ノウハウや取引先との関係を経営者個人に大きく依存する小規模企業を中心に倒産が目立っている。後継者がいないことで当初廃業を見込んでいた企業が、債務を清算できずに倒産するケースなどもみられた。
政府は今年3月、中小企業の事業承継の円滑化などを支援する中小企業成長促進法案を閣議決定。今通常国会での成立を目指している。経営者の高齢化が進むなか、政府・自治体等による事業承継支援策は年々厚みを増してきているものの、小規模企業を中心に事業承継する意思がない経営者も多いことなどから、今後も後継者難倒産は増加基調で推移すると見込まれる。

■新型コロナの影響、引き続き企業の資金繰りを注視

新型コロナウイルスの感染拡大にともなうインバウンド消費の落ち込みや政府による不要不急の外出自粛要請などを受け、飲食店や小売店、宿泊業など、幅広い業種で関連倒産が相次いでいる。3月には、女性向けアパレルブランド「マジェスティックレゴン」などを展開していた(株)シティーヒル(民事再生、負債約50億円)が倒産。100店舗超の出店にともなう投資負担の増加で資金繰りが悪化していたなか、今シーズンの記録的暖冬でセール前倒しを迫られ、さらには感染拡大の余波による来店客数の急減に見舞われたことから、自主再建を断念した。感染拡大の影響に起因する倒産は、4月7日までに計42件判明しており、さらなる発生も危惧される。
倒産件数は、3月時点で7カ月連続の前年同月比増加と、リーマン・ショック以降では最長の連続増加が続いている。2019年度の飲食店の倒産(784件、前年度比19.3%増)は過去最多を記録するなど、上昇基調の物流費や人件費、また、消費税率引き上げ分を転嫁できていない企業などではすでに倒産が続発しているうえ、今後は感染拡大の影響が追い打ちをかける。
政府は新型コロナウイルスの影響を受ける企業に対し、徹底的な資金繰り支援を打ち出している。金融機関に対しても融資先への返済猶予等の条件変更対応を強く求めているほか、リーマン・ショック時の経済対策をも上回る規模での追加対策も表明されている。とはいえ、小規模零細企業へのダメージはより深刻な状況にあり、感染拡大が長期化するようであれば、廃業による取引先減少や消費のさらなる落ち込みも想定されるため、とくに近年の低金利環境下で借入過多にある企業などの資金繰りには注視を要する。

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