倒産集計

2020年 2月報

倒産件数は634件、6カ月連続の前年同月比増加
負債総額は663億7400万円、2000年以降最小

倒産件数 634件
前年同月比 +2.3%
前年同月 620件
負債総額 663億7400万円
前年同月比 ▲69.6%
前年同月 2181億5600万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

倒産件数は6カ月連続増、負債総額は最小を更新

倒産件数は634件(前年同月比2.3%増)と、6カ月連続で前年同月を上回った。6カ月以上の連続増加は2008年6月〜09年8月(15カ月連続)以来。
負債総額は663億7400万円と、2018年12月(負債757億3800万円)を下回り2000年以降最小となった。前年同月にMT映像ディスプレイ(株)(負債約1050億円、大阪府、特別清算)の大型倒産が発生したことなどから、前年同月比69.6%減となった。

■業種別

製造業、小売業などで前年同月比増加

業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも製造業(74件、前年同月比8.8%増)は、漁獲量減少による原材料費高騰が響いた水産加工などの飲食料品製造(19件、同46.2%増)が増加。消費税率引き上げなど受け、小売業(152件、同6.3%増)では、高水準の倒産が続く飲食店(64件、同14.3%増)や、今シーズンの暖冬で秋冬物の販売不振もみられた衣料品小売(17件、同54.5%増)が増加した。
一方、卸売業(83件、前年同月比9.8%減)、サービス業(147件、同2.0%減)、不動産業(15件、同21.1%減)の3業種は前年同月を下回った。

■主因別

「不況型倒産」は496件、構成比78.2%

主因別にみると、「不況型倒産」の合計は496件(前年同月比2.7%減)と、6カ月ぶりに前年同月を下回った。構成比は78.2%(同4.1ポイント減)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比63.7%

負債規模別にみると、負債5000万円未満の倒産は404件(前年同月比4.9%増)、構成比は63.7%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、小売業(117件)が構成比29.0%(同3.8ポイント増)を占め最多、サービス業(104件)が同25.7%(同2.4ポイント減)で続く。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が433件(前年同月比4.1%増)、構成比は68.3%を占めた。

■地域別

関東、九州などで前年同月比増加

地域別にみると、9地域中4地域で前年同月を上回った。なかでも関東(233件、前年同月比14.8%増)は建設業、製造業などで増加。埼玉県を除く1都5県で増加し、件数全体を押し上げた。九州(52件、同20.9%増)では人件費や原材料費の負担増に加え、訪日観光客の落ち込みなどから、小売業(19件)の増加が目立った。
一方、北海道(16件、前年同月比11.1%減)、東北(21件、同40.0%減)、中部(85件、同7.6%減)など、5地域は前年同月を下回った。

■態様別

「破産」は589件、構成比92.9%

態様別にみると、破産は589件(構成比92.9%)、特別清算は24件(同3.8%)となった。
民事再生法は21件で、うち17件を個人事業主が占めた。

■特殊要因倒産

人手不足倒産

17件(前年同月比13.3%増)発生。4カ月連続の前年同月比増加

後継者難倒産

32件(前年同月比3.2%増)発生。3カ月連続の前年同月比増加

返済猶予後倒産

36件(前年同月比2.7%減)発生。4カ月連続の前年同月比減少

※特殊要因倒産では、主因・従因を問わず、特徴的な要因による倒産を集計

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは38.7、5カ月連続で悪化

2020年2月の景気DIは前月比3.2ポイント減の38.7となり5カ月連続で悪化、7年ぶりに40を下回った。2月の国内景気は、中国発の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が全国的な広がりをみせ、業界・規模に関わらず景況感が大幅に悪化した。中国国内の移動や生産活動の停止で、輸出入関連が非常に影響を受けた。さらに、訪日客の減少や各種イベントの自粛、外出の手控えなど経済活動が大きく制約された。また、暖冬傾向の継続や消費税率引き上げによる需要減退、世界的な株価下落も下押し要因となった。在庫調整とともに設備稼働率の低下が継続するなか、企業が抱えるサプライチェーンのリスクが顕在化した。
国内景気は、後退局面が続くなか新型コロナウイルスの影響も加わり、大幅に悪化した。

新型コロナウイルスなどリスク要因が多く、緩やかな後退が見込まれる

今後は、国内外における新型コロナウイルスの広がりや終息が景気の先行きを左右する要因となろう。さらに米中貿易摩擦や中東情勢など海外動向は引き続き大きなリスク要因になるとみられるほか、世界的なサプライチェーンの再構築が進められる可能性もある。また、消費者ポイント還元事業終了後の消費動向のほか、人手不足の深刻化や働き方改革への対応などが企業経営の負担増につながることも懸念される。他方、5G(第5世代移動通信システム)の本格化やシリコンサイクルの好転、東京五輪などは好材料である。今後の国内景気は、新型コロナウイルスなどリスク要因も多く、緩やかな後退が続く見通し。

今後の見通し

■倒産件数はリーマン・ショック以降で最長の6カ月連続増

2020年2月の倒産件数(634件、前年同月比2.3%増)は、6カ月連続の前年同月比増加となった。6カ月以上の連続増加は、2008年6月〜09年8月(15カ月連続)以来と、リーマン・ショック以降では最長の連続増加となる。業種別では、消費税率引き上げ以降、影響が懸念される小売業(152件、前年同月比6.3%増)をはじめ、計4業種で前年同月を上回った。小売業の2019年10月以降の累計件数(841件)は前年同期比8.9%増と、倒産件数全体(3564件)の増加率(前年同期比5.0%増)を上回る。負債総額は663億7400万円と、負債100億円超の倒産が3カ月ぶりに発生しなかったことなどから、比較可能な2000年以降の単月ベースで最小。2018年12月の負債総額(757億3800万円)をさらに下回った。

■建設業も6カ月連続増

防災、減災などの国土強靭化や災害復興工事に加え、都市部での再開発事業やオフィスビル、商業施設などの底堅い建設需要の一方で、2月の建設業の倒産(107件、前年同月比4.9%増)は6カ月連続の増加となった。倒産件数全体と同様に、リーマン・ショック以降では最長の連続増加となる。多重下請けの業界構造に加え、建設現場での慢性的な職人不足を背景に労務費負担が増したことなどで、収益環境が悪化した小規模企業の倒産が目立つ。
直近2020年1月の新設住宅着工戸数(国土交通省)は、前年同月比10.1%減と7カ月連続の減少となった。このうち持ち家は1965年1月以来55年ぶりの2万戸割れとなったほか、貸家は17カ月連続のマイナス。また、非住宅の着工床面積も、事務所、店舗、工場でそれぞれ2ケタの減少率となるなど、足元での悪化が鮮明となっている。今後は新型コロナウイルスの感染拡大による、中国のサプライヤーからの部品供給停止や遅延から、バス、トイレ、キッチンなど住設機器や建材の製造にも影響が及ぶ見通し。そのため、着工遅れや工期延長といった厳しい状況が予想され、建設業者のさらなる収益悪化も危惧される。

■新型コロナの影響、焦点は資金繰り支援か

新型コロナウイルスの感染拡大により、企業を取り巻く環境は大きく揺らいでいる。製造業では中国からの部品調達が滞り生産調整の動きが出ているほか、日本への渡航自粛によるインバウンド消費の落ち込みや、政府による不要不急の外出、イベントなどの自粛要請を受け、飲食店や小売店、サービス業など幅広い業種がダメージを受けている。今月2日には、神戸港のレストランクルーズ船「ルミナス神戸2」を運航していたルミナスクルーズ梶i民事再生、負債約12億4300万円)が倒産。ここ数年の相次ぐ自然災害で運航中止に見舞われ、燃料費高騰などで資金繰りが悪化していたなか、新型コロナウイルスの余波で多数のキャンセル発生が追い打ちとなり、自主再建を断念した。このほか感染拡大の影響から、宿泊業や食品小売など3月6日までに計6件の関連倒産が判明しており、当面は発生が続くとみられる。
政府は新型コロナウイルスの影響を受ける企業に対し、5000億円規模での徹底的な資金繰り支援や雇用調整助成金の特例措置を打ち出したほか、返済猶予等の条件変更対応を金融機関に求める、一歩踏み込んだ支援方針も表明。現時点では感染拡大の終息も見通せず、影響もはかり知れないものの、過去のリーマン・ショックや震災などの危機発生時には、強力な資金繰り支援が倒産抑制に寄与してきたことからも、今後の抑制効果が期待される。年度ベースでの累計倒産件数は2月までに7736件(前年同期7406件)と前年同期を4.5%上回っており、2019年度の倒産件数は前年度の2.8%減から一転、2年ぶりの前年度比プラスが見込まれる。

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