倒産集計

2019年 10月報

倒産件数は785件、2カ月連続の前年同月比増加で今年最多
負債総額は910億7900万円、5カ月連続の前年同月比減少

倒産件数 785件
前年同月比 +5.1%
前年同月 747件
負債総額 910億7900万円
前年同月比 ▲19.3%
前年同月 1128億5600万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

倒産件数は785件、2カ月連続の前年同月比増加

倒産件数は785件(前年同月比5.1%増)と、2カ月連続で前年同月を上回り今年最多。
負債総額は910億7900万円(前年同月比19.3%減)と、負債50億円以上の倒産が発生せず、10月としては比較可能な2000年以降で最小を記録した。

■業種別

製造業、小売業など5業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を上回った。このうち製造業(111件、前年同月比30.6%増)は原材料価格や人件費の上昇などが重なり、飲食料品製造(24件)、印刷業(10件)などで増加した。小売業(195件、同12.1%増)は飲食店(72件、同53.2%増)の増加が引き続き目立ち、5カ月連続の増加となった。
一方、運輸・通信業(15件、前年同月比46.4%減)、サービス業(175件、同3.8%減)の2業種は前年同月を下回った。

■主因別

「不況型倒産」は644件、構成比82.0%

主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は644件(前年同月比6.8%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った。構成比は82.0%(同1.3ポイント増)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比65.2%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は512件(前年同月比13.3%増)、構成比は65.2%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、小売業(159件)が構成比31.1%(同4.6ポイント増)を占め最多、サービス業(131件)が同25.6%(同3.4ポイント減)で続く。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が542件(前年同月比10.8%増)、構成比は69.0%を占めた。

■地域別

東北、中国など6地域で前年同月比増加

地域別に見ると、9地域中6地域で前年同月を上回った。
東北(45件)は食品加工などの製造業(9件、前年同月比80.0%増)や、飲食料品などの小売業(12件、同71.4%増)の増加で前年同月比55.2%増。中国(52件、同26.8%増)は2012年7月以来、7年3カ月ぶりに50件超となり、なかでも広島県(34件、同30.8%増)は人手不足などによる建設業と製造業の増加で、比較可能な2000年以降で最多となった。
一方、四国(14件、前年同月比17.6%減)、九州(54件、同11.5%減)の2地域は前年同月比2ケタ減となった。

■態様別

「破産」は726件、構成比92.5%

態様別に見ると、破産は726件(構成比92.5%)、特別清算は35件(同4.5%)となった。民事再生法は24件で、うち18件を個人事業主が占めた。

■特殊要因倒産

人手不足倒産

15件(前年同月比16.7%減)発生。2カ月連続の前年同月比減少

後継者難倒産

37件(前年同月比32.1%増)発生。2カ月連続の前年同月比増加

返済猶予後倒産

44件(前年同月比4.8%増)発生。2カ月連続の前年同月比増加

※特殊要因倒産では、主因・従因を問わず、特徴的な要因による倒産を集計

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは43.9、3カ月ぶりに悪化

2019年10月の景気DIは前月比1.1ポイント減の43.9となり、3カ月ぶりに悪化した。
10月の国内景気は、消費税率の引き上げと台風19号などの自然災害に下押しされた。消費が落ち込み、小売業など個人消費に関連する業種を中心に大きく悪化したほか、大雨による被害が企業活動の停滞を招いた。中国など海外経済が減速するなか、自動車や半導体関連を中心とした輸出低迷を背景に製造業の悪化が続き、設備投資意欲も低迷した。また、建築着工の減少傾向や人件費などの負担もマイナスに働いた。他方、米中貿易摩擦緩和への期待などを受けた株価上昇やラグビーW杯の盛り上がりが一部で好材料となった。
国内景気は、低調な設備投資や消費税率の引き上げにより後退局面入りの可能性が続くなか、さらに台風による被害が悪影響を及ぼした。

消費の動向が鍵を握るなか、貿易摩擦や世界経済の減速による影響を懸念

今後は、消費税率引き上げにともなう消費の落ち込みの程度と、その後の動向が重要になってくる。また人件費や輸送費が引き続き企業経営に重荷となるうえ、製造業を中心に世界経済の減速がマイナスに働くであろう。米中などの貿易摩擦および世界的な金融緩和政策の動向も注視する必要がある。一方で、自然災害からの復旧・復興や防災を目的とした公共事業は景気を下支えする一因になると見込まれる。東京五輪に向けた機運の高まりや都市部の大規模開発、省力化投資の需要拡大も好材料となろう。
今後の国内景気は、消費の動向が鍵を握るなか、貿易摩擦や世界経済の減速といった懸念材料も多く、不透明感が一層強まっている。

今後の見通し

■製造業、小売業の増加などで今年最多

2019年10月の倒産件数(785件、前年同月比5.1%増)は、2カ月連続の前年同月比増加で今年最多となった。業種別では、5カ月連続のプラスで2017年5月(114件)以来2年5カ月ぶりに100件超となった製造業(111件、同30.6%増)や、同じく5カ月連続増加となった小売業(195件、同12.1%増)などが件数全体を押し上げた。
また、負債総額は910億7900万円と、2015年10月(943億2800万円)を下回り、比較可能な2000年以降で10月としては最小となった。100億円規模の倒産は発生せず、大型倒産の発生は低水準が続いている。

■運送業の倒産、さらなる増加を懸念

道路貨物運送業の倒産件数は、10月単月では前年同月を下回ったものの、2019年1〜10月累計は154件と、前年同期(133件)を15.8%上回り、前年の年間件数(161件)に迫っている。多重下請構造の業界内で、価格交渉力に劣る小規模企業を中心に、慢性的なドライバー不足による受注減や燃料コストの高止まりがネックとなった企業の倒産が目立つ。
こうしたなか、国土交通省は貨物自動車運送事業法の改正を受け、11月1日から運送事業者の許可基準である「最低保有台数5台」ルールの厳格化をスタートした。今後は、減車により最低保有台数を割り込んだ状態での営業継続が難しくなることから、小規模企業には一層の経営体力が求められ、台数維持が困難となった企業などによる倒産も懸念される。

■台風被害の影響を注視

10月12日から13日にかけて列島を直撃した台風19号は、神奈川県箱根町で総雨量が1000ミリを超え国内最高記録を更新するなど、東日本を中心に記録的な豪雨となった。各地では河川の氾濫、決壊、土砂災害など、広範囲にわたり甚大な被害が発生し、政府は2016年4月の熊本地震に続き2例目となる大規模災害復興法の適用を決定した。9月の台風15号に続く度重なる豪雨災害により、企業は生産や営業の再開に向けて復旧を急いでいるものの、想定外の被害に作業が追い付かず、事業再開の見通しが立たない企業は依然多い。今後は被災地域を中心に、セーフティネット保証4号などの資金繰り支援や復興需要の発生が見込まれるものの、事業の縮小や休業、廃業などを余儀なくされる企業が増えることで、被災地以外の企業にも間接的な影響が広がる可能性は高い。

■消費税率引き上げ後の影響に注目、年間倒産件数は前年比プラスの公算

2019年1〜10月の累計件数は6922件(前年同期6730件)と前年同期を2.9%上回る。件数は業種や地域でバラつきが大きいものの、飲食店(610件、前年同期比12.3%増)では比較可能な2000年以降の年間最多ペースで倒産が発生しているほか、宮城県や神奈川県、福岡県など計12県では、すでに前年の年間件数と同数もしくは上回る水準で推移している。
11月には、百貨店やショッピングモールにアクセサリーショップなど複数店舗を展開していた大阪産業(株)(負債約1億5000万円)が来店客数の落ち込みなどから倒産。10月の消費税率引き上げ後に、店舗売り上げが急減したことが追い打ちとなり、事業継続を断念した。多くの飲食店、小売店では軽減税率レジ導入やシステム改修でコスト負担が発生しているうえ、今後は消費者の節約志向の高まりから収益へのマイナスの影響が一段と懸念される。負担感のより強い中小零細企業では倒産が増える可能性があり、2019年の年間倒産件数は2018年の前年比3.7%減から一転し、2年ぶりに前年を上回る見通し。

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