倒産集計

2019年 6月報

倒産件数は734件、2カ月ぶりの前年同月比増加
負債総額は803億7100万円、3カ月ぶりの前年同月比減少

倒産件数 734件
前年同月比 +3.5%
前年同月 709件
負債総額 803億7100万円
前年同月比 ▲59.2%
前年同月 1968億6300万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

倒産は734件、2カ月ぶりの前年同月比増加

倒産件数は734件(前年同月比3.5%増)と、2カ月ぶりに前年同月を上回った。
負債総額は、前年同月に東証1部上場の日本海洋掘削(株)(負債904億7300万円)の倒産が発生した反動もあり、前年同月比59.2%減の803億7100万円となった。

■業種別

建設業、小売業など5業種で前年同月比増加

建設業(148件、前年同月比11.3%増)は、設備工事は減少も、職別工事が前年同月比34.6%増。小売業(161件、同6.6%増)は、衣料品小売(25件、同25.0%増)、自動車小売(12件、同100.0%増)などで増加が目立った。一方、サービス業(167件、前年同月比5.1%減)、卸売業(84件、同24.3%減)の2業種は前年同月を下回った。

■主因別

「不況型倒産」は549件、構成比は74.8%

主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は549件(前年同月比2.1%減)となり、2カ月連続で前年同月を下回った。構成比は74.8%(同4.3ポイント減)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比64.4%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は473件(前年同月比10.0%増)、構成比は64.4%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(118件)が構成比24.9%(同3.1ポイント減)を占め最多、小売業(116件)が同24.5%(同1.5ポイント減)で続く。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が520件(前年同月比11.1%増)、構成比は70.8%を占めた。

■地域別

9地域中5地域で前年同月比増加

地域別に見ると、9地域中5地域で前年同月を上回った。
中国(42件)は、飲食料品小売などの小売業(19件、前年同月6件)や建設業(9件、同5件)が増加し、前年同月比2倍増。北陸(25件)は、サービス業(10件、同4件)などの増加により、前年同月比66.7%増となった。関東(260件、前年同月比2.8%増)は、東京都の建設業、神奈川県の小売業などが増加し、地域全体を押し上げた。
一方、中部(104件、前年同月比12.6%減)は卸売業や小売業の減少で7カ月連続の減少。九州(54件、同10.0%減)は小売業やサービス業が減少し、2カ月連続で前年同月を下回った。

■態様別

「破産」は677件、構成比は92.2%

態様別に見ると、破産は677件(構成比92.2%)、特別清算は28件(同3.8%)となった。民事再生法は29件(同4.0%)と、前年同月(18件)を大きく上回った。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは45.1、7カ月連続で悪化

6月の国内景気は、米中貿易摩擦を背景とした中国景気の減速などが輸出の停滞を招き、製造業の悪化基調が継続した。人件費や原材料費、輸送費の負担が高水準で推移したうえ、大阪での20カ国・地域首脳会合(G20サミット)などが響き、域内地域を中心に物流や工事関連が低迷した。一方で、消費税率引き上げを見据えた駆け込み需要が一部でみられたほか、燃料価格の低下やインバウンドもプラス材料となった。なお、景気DIが7カ月連続で悪化したのは、2009年2月(12カ月連続)以来10年4カ月ぶり。
 国内景気は、輸出の停滞や高水準で推移するコスト負担が引き続き下押し圧力となり、後退局面入りの可能性がある。

消費税率引き上げによる消費減退、米中貿易摩擦など、不透明感が一層強まる

今後は、消費税率の引き上げに向けて緩やかながら需要の増大が予想される。東京五輪などの大型イベントや公共投資がプラスに働くほか、省力化需要を背景として、非製造業を中心に設備投資は堅調に推移するであろう。一方で、消費税率引き上げ後は消費の落ち込みが懸念される。また中国や欧州経済の減速を受けて、輸出は減少基調で推移すると見込まれる。米中貿易摩擦が国内景気に及ぼす影響や、米国景気およびFRB(米連邦準備制度理事会)の動向などを含む世界情勢を注視していく必要がある。
 今後の国内景気は、消費税率引き上げによる消費減退とともに、米中貿易摩擦の先行きも懸念され、不透明感が一層強まっている。

今後の見通し

■上半期の倒産件数は微減、業種・地域間でバラつき目立つ

2019年上半期(1〜6月)の倒産件数(3998件)は、建設業や製造業の減少が寄与し、前年同期比0.8%の微減と、上半期としては2005年(3834件)以来14年ぶりに4000件を下回った。業種や地域間ではバラつきがみられ、業種別では7業種中3業種が、地域別では9地域中5地域が前年同期を上回るなど、まだら模様な状態が浮き彫りとなった。
また、負債総額(7507億6000万円)は、上半期としては2016年(7677億9600万円)を下回り、比較可能な2000年以降での最小を更新した。負債額上位には、10〜20代女性向けアパレルブランド「RETRO GIRL」などを約100店舗展開していた(株)ラストステージ(旧:(株)エムズ、特別清算、福島県、負債約66億9200万円)のほか、「J.FERRY」を約30店舗展開していた(株)リファクトリィ(民事再生、東京都、負債約60億1300万円)、ショッピングセンターなどでベビー・子供服店を約100店舗展開していたマザウェイズ・ジャパン(株)(破産、大阪府、負債約59億6000万円)といったアパレル企業が目立った。ファストファッションの台頭や、ネット通販、フリマアプリの普及などを受け、今後も不採算店舗を多数抱えるアパレル企業の倒産は散発する可能性が高い。

■中規模クラスの倒産、10年ぶり増加

2019年上半期は、負債1億円未満の小規模倒産(2986件)が前年同期を2.5%下回った一方、負債1億円以上の倒産(1012件、前年同期比4.7%増)は、2009年上半期(同22.2%増)以来10年ぶりの前年同期比プラスに転じた。近年の緩やかな景気回復や、緩和的な資金調達環境を背景に、有利子負債を増やした企業が計画通りの収益を確保できなくなり、負債をさらに膨らませたことなどで、中規模クラスの倒産が相次いだ。
また、倒産に至った主因別の件数をみると、売り上げ不振や販売不振による倒産が大半を占める傾向は続いたものの、設備投資や事業の多角化など「経営計画の失敗」による倒産の割合が、負債1億円以上の倒産では7.1%を占め、倒産件数全体でも過去10年で最高(4.3%)となるなど、変化がみられた。低金利や人口減少により収益環境が厳しさを増している金融機関では、収益力の強化に向けて信用力が低めのミドルリスク企業向け融資を進めているケースもあり、こうした企業の業績動向次第では、今後さらなる倒産増加も懸念される。

■リスケ後倒産の動向注視

金融庁は6月28日、金融機関における貸付条件の変更等の状況について、2019年3月末まで直近1年間の実績を公表した。貸付条件の変更等の申込件数は減少傾向ながら74万件余にのぼり、申込件数に対する実行率は97%超と依然高水準で推移している。
こうしたなか、金融機関から返済条件の変更等(リスケジュール)を受けた企業による返済猶予後倒産は、2019年上半期に256件と前年同期を24.9%上回った。金融機関による資金繰り支援を受けながらも、抜本的な事業再生が進まないまま追加融資等も難しく、事業継続を断念せざるを得ない企業は増加傾向にあり、引き続きその動向が注目される。
人件費や物流費、原材料費などが上昇基調のなか、コスト負担を転嫁できずに利益を確保できていない企業も多い。年後半にかけては、中規模クラスの倒産がさらに件数全体を押し上げる可能性もあり、楽観視できない状況が続く見込み。

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