倒産集計

2019年 3月報

倒産件数は651件、3カ月ぶりの前年同月比減少
負債総額は769億2700万円、3カ月ぶりの前年同月比減少

倒産件数 651件
前年同月比 ▲14.3%
前年同月 760件
負債総額 769億2700万円
前年同月比 ▲78.0%
前年同月 3489億5900万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

負債総額は769億2700万円、負債100億円以上は発生せず前年同月比大幅減

倒産件数は651件(前年同月比14.3%減)と、3カ月ぶりに前年同月を下回った。負債総額は、2000年以降最小だった2018年12月(負債757億3800万円)に次ぐ低水準で769億2700万円。負債100億円以上の倒産は発生せず、前年同月にジャパンライフ(株)(負債約2405億円、東京都、破産)などの大型倒産が散発した反動もあり、前年同月比78.0%の大幅減少となった。

■業種別

建設業、サービス業など5業種で前年同月比2ケタ減

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を下回った。
建設業(107件)は、都市部での再開発需要の拡大などで、職別工事・総合工事・設備工事の全てで減少し、前年同月比27.2%の2ケタ減。サービス業(148件)は、病院や整体などの施術所を含む医療業(10件、前年同月比16.7%減)のほか、ホテル・旅館(6件、同33.3%減)などが前年同月を大きく下回った。 一方、卸売業(114件)と運輸・通信業(27件)の2業種は前年同月を上回った。

■主因別

「不況型倒産」は512件、構成比は78.6%

主因別に見ると、「不況型倒産」の合計は512件(前年同月比18.9%減)となり、3カ月ぶりに前年同月を下回った。構成比は78.6%(同4.4ポイント減)を占めた。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

■規模別

負債5000万円未満の構成比59.8%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は389件(前年同月比16.0%減)、構成比は59.8%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、小売業とサービス業がそれぞれ102件(構成比26.2%)を占め最多となった。 資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が431件(前年同月比14.0%減)、構成比は66.2%を占めた。

■地域別

9地域中6地域で前年同月比減少

地域別に見ると、9地域中6地域で前年同月を下回った。
中部(75件)は、建設業(9件、前年同月22件)やサービス業(14件、同27件)などが減少し、4カ月連続で前年同月を下回った。関東(235件)は、埼玉県(16件、同43件)で建設業やサービス業が大きく減少したほか、茨城県(10件、同18件)で建設業や卸売業が減少し、前年同月比14.5%減。北陸(16件)は、新潟県(8件、同14件)が4カ月連続で減少したほか、全ての県で前年同月を下回った。 一方、東北(35件)は小売業やサービス業、九州(64件)は製造業やサービス業が増加し、どちらも3カ月連続で前年同月を上回った。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは46.9、4カ月連続で悪化

3月の国内景気は、中国の景気減速による輸出減少などから、自動車や半導体といった機械関連を中心に製造業の悪化が続いたことが、大きな下押し要因となった。人件費や燃料費などが収益を圧迫したほか、暖冬傾向も悪影響を及ぼした。年度末を迎え各方面で需要が拡大するも、人手不足から受注機会の損失が一部で発生した。他方、消費税率引き上げを見据えた駆け込みや、改元および軽減税率対応への需要増加はプラス要因となった。
国内景気は、製造業の悪化やコスト負担増などがマイナス材料となり、一部で後退局面に入った可能性がある。

輸出低迷や設備投資の鈍化、海外リスクなど、不透明感が一層強まる

今後は、労働市場の需給ひっ迫を背景に個人消費は緩やかな回復が半年程度続くほか、ラグビーワールドカップや東京五輪などの大型イベント、改元にともなう祝賀ムードなどはプラス材料となるであろう。設備投資は省力化需要が期待されるものの、五輪向け建設投資のピークアウトや輸出低迷などから、鈍化すると見込まれる。
2019年10月の消費税率引き上げによる駆け込みとその後の反動減は、前回(2014年4月)と比べて緩やかになると予想される。海外は、中国や欧州経済の低迷、好調が続く米国景気の減速、米中貿易摩擦、日米通商交渉の行方、英国の EU離脱などのリスクを、注意深く見守る必要がある。
今後の国内景気は、大型イベントなどがプラス材料となる一方、輸出低迷や設備投資の鈍化に加えて海外リスクも抱え、不透明感が一層強まっている。

今後の見通し

■倒産件数全体は減少も、業種間にばらつき

2018年度の倒産件数(8057件、前年度比2.8%減)は、9年ぶりの前年度比増加だった前年度から一転し、2年ぶりの減少となった。小規模倒産が大半を占める傾向が続き、負債5000万円未満の倒産の割合は6年連続で上昇し、過去最高の61.4%を占めた。業種別では、建設業、製造業、卸売業、不動産業での4業種が過去最少を更新し減少が目立った一方、小売業は2年連続、サービス業は3年連続で増加するなど、まだら模様な状態が浮き彫りとなった。
2018年度は負債1000億円以上の倒産が2件発生したものの、前年度に発生したタカタ(株)(負債1兆823億8400万円)の大型倒産などの反動から、負債総額は40.0%の減少となった。

■10年連続減の東京都で反転増の兆し

都道府県別で最多を占める東京都の2018年度の件数(1532件、前年度比2.7%減)は、建設業や製造業、卸売業を中心に減少が目立つなど、3年連続で過去最少を更新し、都道府県で唯一10年連続のマイナスとなった。緩やかな景気回復基調のなかで資金調達環境の改善が続いたほか、東京五輪開催を控えた都心部の再開発やインフラ整備などの恩恵が大きいとみられる。
ただ、このうち負債1億円以上の倒産(377件)が10年ぶりの増加に転じたほか、直近の2018年度第4四半期(357件)では、6四半期ぶりに前年同期を上回った。2019年に入っては衣料品卸や同小売、飲食店などで中規模クラスの倒産が散発しており、その動向が注目される。

■人手不足倒産の増勢続く

求人数が求職数を上回る有効求人倍率1倍超の状態が続くなか、従業員の離職や採用難等で収益が悪化したことなどを要因とする人手不足倒産は、2018年度で169件発生し、前年度比48.2%の増加となった。建設現場での慢性的な作業員や施工管理者の不足により、工期遅延や労務費の上昇が影響した建設業(55件)が3割超を占め最多となり、老人福祉事業や労働者派遣、受託開発ソフトウェアなどのサービス業(49件)がこれに続いた。人手不足倒産は集計開始以降、右肩上がりで増加を続け、6年間累計(540件)で500件を超えた。
この4月から外国人材の受け入れ拡大を促す改正出入国管理法が施行された。政府は人手不足が深刻化している14業種を対象に、5年間で介護6万人、外食5.3万人、建設4万人など、合計で最大34.5万人余りの受け入れを見込む。しかし、小規模企業を中心に人手確保が難しい状況は当面続くと想定され、人手不足倒産の増勢は当面続く可能性が高い。

■各種リスク要因を引き続き注視

中小企業信用保険法の改正を受け、2018年4月に開始した信用補完制度の見直しから1年が経過した。信用保証協会と金融機関が連携しリスク分担を進めるという政府方針のもと、2018年12月には中小企業庁から金融機関別の保証承諾件数に占めるプロパー融資の併用割合が初公表されるなど、金融機関はより積極的なプロパー融資対応が求められるようになった。
こうしたなか、金融機関から返済条件の変更等(リスケジュール)を受けた企業による返済猶予後倒産は2018年度に480件(前年度比4.3%増)と3年連続で前年度を上回った。リスケ解消の見込みが低くプロパー融資での支援が困難な企業では、さらなる倒産増加も懸念される。
米中貿易摩擦の展望やイギリスのEU離脱問題などで世界経済全体に不透明感が高まるなか、日本企業の業績に一部で悪影響が出始めている。現時点では倒産件数が急増するまでの状況にないものの、為替や株価など各種リスク要因には引き続き十分な注視を要する。

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