倒産集計

2017年 10月報

倒産件数は775件、2カ月連続の前年同月比増加
負債総額は1019億2000万円、2カ月ぶりの前年同月比減少

倒産件数 775件
前年同月比 +10.1%
前年同月 704件
前月比 +19.6%
前月 648件
負債総額 1019億2000万円
前年同月比 ▲12.8%
前年同月 1169億400万円
前月比 ▲2.4%
前月 1043億7800万円

主要ポイント

調査結果

■件数・負債総額

ポイント倒産件数は775件、2カ月連続の前年同月比増加

倒産件数は775件で、前月比は19.6%増、前年同月比も10.1%の増加となり、2カ月連続で前年同月を上回った。負債総額は1019億2000万円と、前月比で2.4%減、前年同月比でも12.8%減少し、2カ月ぶりの前年同月比減少となった。


要因・背景

件数…業種別では7業種中5業種で、地域別では近畿や中国など7地域で前年同月比増加
負債総額…負債100億円以上の倒産は発生せず、小規模倒産が多数を占めた

■業種別

ポイント7業種中5業種で前年同月比増加

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同月を上回った。このうち、サービス業(181件、前年同月比19.1%増)は3カ月連続、建設業(149件、同18.3%増)、不動産業(33件、同22.2%増)の2業種は2カ月連続の前年同月比増加となった。一方、製造業(92件、同7.1%減)、運輸・通信業(19件、同20.8%減)の2業種は前年同月を下回った。

要因・背景

■主因別

ポイント「不況型倒産」は633件、構成比は81.7%

主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は633件(前年同月比8.2%増)となり、2カ月連続で前年同月を上回った。構成比は81.7%(同1.4ポイント減)を占めた。


※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

要因・背景

■規模別

ポイント負債5000万円未満の構成比61.5%

負債規模別に見ると、負債5000万円未満の倒産は477件(前年同月比25.5%増)となった。構成比は61.5%と、依然として小規模倒産が過半を占める傾向が続いた。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人経営含む)の倒産が500件と、構成比64.5%を占めた。

要因・背景

■地域別

ポイント9地域中7地域で前年同月比増加

地域別に見ると、9地域中7地域で前年同月を上回った。なかでも、中国(37件)は前年同月比105.6%の大幅増加となったほか、北陸(24件、前年同月比71.4%増)、近畿(201件、同12.9%増)、四国(13件、同85.7%増)の3地域は前年同月比2ケタの増加。3都府県では、愛知県は3カ月連続で減少も、東京都は9カ月連続、大阪府は6カ月連続でそれぞれ増加した。

要因・背景

■上場企業倒産

上場企業の倒産は発生しなかった。

2017年では、東証1部上場のタカタ梶i民事再生法、6月)の1件が発生。

■景気動向指数(景気DI)

景気DIは49.1、製造業がけん引し回復続く

2017年10月の景気DIは前月比0.7ポイント増の49.1となり、5カ月連続で改善した。
「製造」が9カ月連続で改善し、過去最高を更新した。為替レートが1ドル=110円台で安定するなか、世界経済の回復を受けて機械や電子部品の輸出が好調なことや、旺盛な建設投資などを背景に、製造業のうち「機械製造」「化学品製造」「鉄鋼・非鉄・鉱業」の3業種も過去最高を更新。訪日外国人客の消費拡大や、急激な気温低下から季節商材が好調だったことも景況感を押し上げた。また、総選挙での与党勝利により経済政策の継続性に期待が高まったことなどから、日経平均株価が史上初の16営業日連続の上昇を記録したことも、一部業種でプラスに働いた。国内景気は、好調な輸出や旺盛な建設投資などから過去最高を記録した製造業がけん引するかたちで、回復が続いた。

今後の国内景気は、外需主導のなか内需の持ち直しも期待され、回復傾向が続く見込み

国内景気は、好調な外需に加え内需の持ち直しも加わっていくと予想される。輸出は、世界経済の回復からIT関連を中心として、今後も増加基調で推移するとみられる。設備投資については、企業収益の改善や省力化需要の増加を背景として堅調に推移し、個人消費は、雇用・所得環境などの改善を通じて緩やかに持ち直していくことが見込まれる。一方で、人手不足の深刻化やコンプライアンス問題が企業活動へ与える悪影響、地政学的リスクの高まりなどには警戒が必要であろう。今後の国内景気は、外需主導のなか内需の持ち直しも期待され、回復傾向が続くと見込まれる。

今後の見通し

■コンプライアンス違反による影響拡大に懸念

10月は、神戸製鋼所や日産自動車、SUBARUなど大手メーカーでコンプライアンスに関連する不祥事が相次いだ。こうした企業では、取引先や下請先が6000社から1万4000社超と多く、今後の動向次第では企業業績への影響が取引先等にも拡大する懸念がある。
また、経営再建に伴う金融機関へのリスケジュール申請時にコンプライアンス違反が発覚し、法的整理に至った事例も現れるなど、中小零細企業における動向も注目されている。
コンプライアンスに関連する動きは、企業業績にとどまらず、工場などが雇用の重要な受け皿の役割を果たしつつ、ともに発展してきた地域経済に影響することも懸念され、今後も注視していく必要がある。

■地域金融機関の再編、金融庁の対処方針や公取委の動向などに注目

金融庁は「平成28事務年度 金融レポート」(2017年10月25日公表)において、地域金融機関のビジネスモデルの持続可能性に対する懸念を提示した。背景として、貸出利ざやの縮小により本業利益がマイナスとなる銀行が増加している一方、ハイリスクな有価証券運用や不動産融資の拡大などで足下の利益を確保する動きもみられることが指摘されている。こうしたなか、金融庁は地域金融機関の経営の持続性を重視する政策の検討を開始した。また、公正取引委員会は地域金融機関の再編・統合について、借り手である需要者の立場も配慮する姿勢を打ち出しており、企業結合審査においては再編・統合に伴う独占の利益に厳しい見方を示している。
こうしたなか、日本銀行によるマイナス金利政策の継続で、地域金融機関の収益力の低下が懸念される。その一方で、地域経済における資金の貸し手の重要性は増していることなど、地域金融においてジレンマが生じている。地域金融機関は地域経済の活性化に欠かせない存在である。そのため、地域金融機関が収益力を向上させる構造変革を行うとともに、政策当局からは地域金融機関の競争力強化を促す施策が求められよう。

■2017年の倒産件数は低水準ながらも、8年ぶりの増加が避けられない状況に

海外動向をみると、世界経済が堅調に回復していくと予測され、IT関連を中心として、海外需要は増加基調で推移すると見込まれる。国内経済では、企業収益の改善や省力化需要の増加を背景として設備投資が上向いていくとみられるほか、就業者の増加や基本給に当たる所定内給与の上昇などを通じて個人消費は緩やかに持ち直していくと予測される。
しかしながら、深刻化する人手不足の長期化やコンプライアンス問題が企業活動に与える悪影響、地政学的リスクの高まりなどは懸念材料と言えよう。
こうした状況下において、10月の倒産件数は775件(前年同月比10.1%増)となり、2カ月連続で増加した。また、1月から10月までの累計は7034件で、前年の同時期と比較すると2.9%増加している。そのため、2017年の年間倒産件数は低水準ながらも、2009年以来8年ぶりの増加に転じることが避けられない状況となってきた。

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2017年集計
月別 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
半期 2017年上半期(2017年1月〜2017年6月) 2017年度上半期(2017年4月〜2017年9月)
2017年(1月〜12月)
年度 2017年度(2017年4月〜2018年3月)

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