2021/1/27
四国地区 休廃業・解散 動向調査(2020年)
休廃業・解散1,649件、2年ぶりの減少
〜 休廃業・解散の約6割が黒字企業 〜
はじめに
2020年の日本経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、幅広い業界・企業がかつてない打撃を受けた。帝国データバンクの調査では、景気が悪化したと捉えた企業の割合が東日本大震災発生直後の2012年以来8年ぶりに5割超の水準に達するなど、多くの企業にとって厳しい1年だったと言える。
他方で、日本経済が急激に収縮するなかでも、2020年の四国地区の企業倒産はコロナ禍以前を下回る156件(前年180件)となった。これまで景況感に概ね連動してきた企業の休廃業・解散件数も、当初は急激な景気悪化に耐え切れず市場退出を強いられる企業が急増するとみられたものの、官民一体の手厚い経済支援が奏功してその発生が大きく抑制されたとみられる。
帝国データバンク高松支店は、四国地区で2016年〜2020年の間に休廃業・解散に至った企業(法人、個人含む)を集計。代表者年代別、業種別、県別について傾向を分析した。
■帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計
■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称
■調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計する事もある
■2020年より一部集計対象・基準を変更し、16年までの推移について遡り集計した
調査結果
- 1 2020年に四国地区で休業や廃業、解散した企業(個人事業主を含む)は1,649件(前年比1.2%減)判明、2年ぶりに減少した。また、休廃業・解散の約6割は黒字企業となっている
- 2 代表者年代別、「70代」が41.3%で最も多く、3年連続で全年代中最多となったほか、集計開始以降で初めて4割を超え、過去最高を更新
- 3 業歴別、「10年以下」が19.2%で最も高く、次いで「21〜30年」(18.5%)、「31〜40年」(15.8%)、「11〜20年」(15.7%)、「41〜50年」(13.4%)が1割以上で続く
- 4 業種別、「建設業」が258件で最も多く、次いで「サービス業」(239件)、「小売業」(177件)が続く。7業種中、「製造業」「不動産業」を除く5業種が前年を上回った
- 5 県別件数、「愛媛県」が651件で最も多く、次いで「香川県」(447件)、「高知県」(293件)、「徳島県」(258件)が続く。前年からの増加率では、「徳島県」が全国トップ
