2019/12/16
島根県 メーンバンク実態調査(2019年)
トップの山陰合同銀行、シェア6割超
〜 上位15位中、7つの金融機関がシェアを拡大 〜
はじめに
2016年2月にマイナス金利政策が導入されて以降、地方経済を支える金融機関を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いている。中国地方にある地方銀行・第二地方銀行・信用金庫・信用組合の計39金融機関の2019年3月期(2018年4月〜2019年3月)における「利ざや」<貸出金利息(収入)−預金利息(支出)の差額>をみると、半数を超える21の金融機関でマイナスとなるなど、収益悪化が顕著になった。近い将来、少子高齢化の加速とともに都市部への人口流出・集中する傾向が高まり、地方の資金需要が先細りする懸念が強まるなか、地域金融機関では収益改善につながるビジネスモデルの構築を急いでいる。また、全国各地で金融機関の再編やエリアを問わない提携の動きも強まっている。こうした状況のなかで、島根県に拠点を置く金融機関の地元企業に対するシェアや取り組みの状況にどのような変化があるのだろうか。
帝国データバンク松江支店で、2019年10月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」(全国約147万社)の中から島根県内の企業(9326社)を抽出、メーンバンクと認識している金融機関について集計・分析した(%は小数点第3位を四捨五入、前年調査の対象企業数は9339社)。
この調査は今回で10回目、調査対象は全業種・全法人(個人経営を含む)。
■本調査は「COSMOS2」に収録されている企業のデータであるため、各金融機関がメーンとして取引している実数とは異なる。また、一企業に複数のメーンがあるケースでは、企業が最上位として認識している金融機関のみを集計した。
調査結果
- 1 トップは「山陰合同銀行」でシェア61.90%(企業数5773社)。2位は「島根中央信用金庫」で9.77%(911社)、3位は「島根銀行」で7.77%(725社)、この3つの金融機関で全体の79.44%を占めた。前年と比べて、上位15位まで変動なし
- 2 業種別では、「山陰合同銀行」「島根中央信用金庫」「島根銀行」が主要7業種で1位から3位を占めた。「山陰合同銀行」は、『建設』『製造』『卸売』『サービス』『不動産』のシェアは6割を超え、全業種で2位以下を大きく引き離しており、圧倒的なシェアを占めた
- 3 取引先の売上規模別では、『10億円未満』の4分類で「山陰合同銀行」「島根中央信用金庫」「島根銀行」が1位から3位を占めた。なお、『10億円以上』では、「島根県農業協同組合」が3位、「商工組合中央金庫」が4位にそれぞれランクイン
