2016/4/15
特別企画 :広島県 2015年度 企業の休廃業・解散動向調査
休廃業・解散は672件、倒産件数の4.36倍に
〜 代表者年齢、70歳以上が36.6%を占める 〜
はじめに
広島県の2015年度の法的手続きによる企業倒産件数は154件だった。2年連続で減少し、過去10年間で2番目に少なくなり、倒産減少がより鮮明になった。
アベノミクスによる景気回復で企業業績が上向いてきたことが一因といえるが、金融機関の中小企業に対する借入金の返済猶予などの資金繰りサポートの継続に支えられていることが最も大きな要因といえる。ただ、資金繰り支援の有無に関わらず、経営者の高齢化や後継者不在などの問題を抱えた負債5000万円未満の小規模な倒産が高止まりした状況が続いた。こうした法的手続きに沿った倒産が減少する中で、法的な整理をすることなく、事業を停止している中小・零細企業も水面下で数多く存在する。
そこで、帝国データバンク広島支店では、企業概要データベース「COSMOS2」(146万社収録)から削除されたデータを収録したファイル(「削除ファイル」)を用いて、広島県で2006年度〜2015年度に休廃業、解散などに至った事業者(法人・個人含む)を集計した。
■「休廃業・解散」は、企業の活動停止が確認できた企業の中で、倒産(任意整理、法的整理)に分類されないケース
■「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す。「倒産」とは異なり、官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースなど、資産が負債を上回っている状態で企業活動を停止することが前提。ただし、負債が資産を上回っている疑いのある企業や、いわゆる夜逃げ状態にあり、「倒産」と断定できない企業を含む
■「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記簿などで解散が確認できたケースが該当する
調査結果
- 1 広島県の2015年度の休廃業・解散件数は672件。2015年度の倒産件数(154件)の「4.36倍」に
- 2 種類別、「休廃業」(443件)が21.6%減少。「解散」(229件)は5.8%減少
- 3 業種別、8業種中7業種で前年度を下回る。「建設業」が最多の230件
- 4 代表者の年齢別、「70歳以上」が36.6%。高齢化・後継者不在が事業停止の背景に
