2022/10/28
DX推進に関する企業の意識調査(2022年9月)
DXに取り組んでいる企業は15.5%、人材不足が課題
〜 兼業・副業人材の受け入れ、2割で前向きに検討 〜
はじめに
2021年9月にデジタル庁が発足し、1年が経過。データとデジタル技術を活用し自社の製品、サービス、ビジネスモデルを変革し、競争上の優位性を確立するDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が企業に求められている。そうしたなか、岸田首相は「科学技術・イノベーション」「スタートアップ」「GX」「DX」の四分野に官民の投資を加速させるとし、さらに、個人のリスキリング(成長分野に移動するための学び直し)に対し、5年間で1兆円規模の公的支援を実施すると表明した。そこで、帝国データバンクは企業のDX、リスキリングへの取り組みについて調査を実施した。
■調査期間は2022年9月15日〜9月30日、調査対象は全国2万6,494社で、有効回答企業数は1万1,621社(回答率43.9%)
■本調査の詳細なデータは、景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
- 1 DXに取り組んでいる企業は15.5%、従業員1,000人超は半数近くの企業が取り組む
DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業は15.5%となった。特に、従業員が1,000人超の企業では47.8%と、半数の企業が取り組んでいる。他方、「言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない」(35.3%)、「言葉は知っているが意味を理解できない」(12.4%)、「言葉も知らない」(5.4%)など、依然として5割超ではDXへの取り組みが進んでいない - 2 人材やスキル、ノウハウ不足が、4割超の企業でDXの課題に
DXに取り組むうえでの課題では、「対応できる人材がいない」(47.4%)や「必要なスキルやノウハウがない」(43.6%)がともに4割超となった。また、「対応する時間が確保できない」(33.3%)、「対応する費用が確保できない」(27.5%)など、時間、費用面の制約を課題にあげる企業も多い - 3 リスキリングに取り組んでいる企業は48.1%、新しいデジタルツールなどの学習が進む
リスキリングについて、現在何らかの取り組みを実施している企業は48.1%となった。一方、特に取り組んでいない企業は41.5%だった。取り組み項目では、オンライン会議システムやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどの「新しいデジタルツールの学習」が48.4%で最多。「経営層による新しいスキルの学習、把握」(38.6%)、「従業員のデジタルスキルの把握、可視化」(32.3%)、「経営層から従業員に学習が必要なスキルを伝達」(29.5%)などが続いた - 4 兼業・副業人材の外部からの受け入れ、2割が前向きに検討
デジタルスキルなどを有する兼業・副業人材について、現在外部から受け入れている、または前向きに検討している企業は21.9%と2割超に及んだ。一方、兼業・副業人材について、「現在受け入れておらず、今後も予定していない」企業は62.7%となった
