2019/11/11
整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査
2018年度の収入高合計は2000億円を突破
〜 店舗数増加で競合激化、倒産件数は2000年以降で最多 〜
はじめに
街中に「肩こり・腰痛改善」「保険診療可」などの看板を掲げる整骨院や鍼灸マッサージ店があふれている。特に「整骨院」は国家資格の柔道整復師(以下、柔整師)養成学校の規制緩和で資格所有者が急増し、店舗数が増加。厚生労働省によると、柔整師が手がける施術所(整骨院)は2018年末時点で約5万77カ所まで増加し、10年間で約1.4倍に膨れ上がっている。供給過多となった整骨院は同業との競合が厳しく、保険診療の不正請求に手を染めるケースが後を絶たない。
帝国データバンクは、2019年10月時点の企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)の中から、2018年度(2018年4月期〜2019年3月期)決算の年収入高が判明した整骨院・療術・マッサージ業者2090社を抽出し、収入高合計、業歴別、従業員数別や倒産動向についても分析した。なお、業績数値は一部推定値を含む。
■同様の調査は今回が初めて
■整骨院は接骨院を含む
調査結果
- 1 整骨院・療術・マッサージ業者2090社のうち、2016年度から2018年度まで3期連続で収入高が判明した1888社の2018年度の収入高合計は前年度比4.8%増の2038億4800万円。新規出店や高齢者増加が追い風となった
- 2 業歴別では「10〜30年未満」が946社(構成比45.3%)で最多
- 3 従業員数別では「10人未満」が1702社(構成比81.4%)となり、小規模業者が全体の8割を占めている。一方「100人以上」は28社(構成比1.3%)にとどまった
- 4 2019年(1月〜10月)の倒産件数は78件発生しており、2000年以降で最多の2018年に迫るペースで推移している。負債「1000万円〜5000万円未満」の小規模業者の倒産が目立った
