業界情報記事

清酒メーカーの経営実態調査

海外需要増加も「増収」企業は3年ぶり減少
〜 2016年度の清酒メーカートップは「白鶴酒造」、8位の「旭酒造」は前年度比6割超の大幅増収 〜

はじめに

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、ヘルシーさなどから世界的に人気が高まるなか、海外では和食にマッチする日本独自の酒類として「日本酒」が注目されている。長期的な人口減少や嗜好の多様化により国内需要が伸び悩むなか、和食ブームに乗り海外への輸出量が増加。2016年における清酒輸出額は155億円にのぼり、7年連続で過去最高を更新するなど好調が続いている。

こうしたなか、政府は「日本産酒類の輸出促進連絡会議」において、日本酒の輸出拡大に向けた指針を改定。また、交渉が妥結した日EU経済連携協定(日EU・EPA)では、日本酒など酒類の関税が即時撤廃されるほか、産地名をブランド化する「地理的表示(GI)」の保護対象となることが決定し、さらなる輸出増加へ向けて追い風となることが期待されている。

帝国データバンクは、信用調査報告書ファイル「CCR」(約170万社収録)などを基に、2017年12月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)に収録されている清酒メーカー1254社を抽出・集計・分析した。

調査結果

  1. 1 清酒メーカーは全国に1254社判明。本社所在地を都道府県別にみると、最も多かったのは「新潟県」の84社(構成比6.7%)。以下、「長野県」、「兵庫県」と続く
  2. 2 創業年代別では「明治時代」の431社が最多。業歴100年以上の老舗清酒メーカーは903社となり、全体の約7割を占めた
  3. 3 「清酒製造」を主業とする清酒メーカーの売上高合計推移をみると、2016年度は4416億900万円となり、前年度比0.6%の増加。一方、各社の売上高動向をみると、2016年度における「増収」企業の構成比は30.6%となり、3年ぶりに構成比が減少した。「減収」企業の構成比は20.9%となり、過去5年間で最小となったほか、「横ばい」となった企業の構成比は48.4%となり、過去5年間で最大となった
  4. 4 2016年度の清酒メーカー売上高トップは、「白鶴」で有名な白鶴酒造(株)(兵庫県)。また、上位20社のうち前年度から売上高が大きく伸長したのは、「獺祭」で有名な旭酒造(株)(山口県)。好調な海外需要を取り込んだものの、国内市場の低迷によって減収となった企業が目立つ
詳細はPDFをご確認ください

お問い合わせ先

株式会社帝国データバンク 東京支社 情報統括部
TEL:03-5919-9343 FAX:03-5919-9349

食品業界の基本情報・動向

業界調査なら帝国データバンクにおまかせください

こんなご要望ありませんか?

  • ケース1異業種への新規参入を検討しているので、知見がある人にサポートしてほしい。

    御社がその業界に適しているか、またどういう戦略で参入するのが最良かなどの検討材料になる最新の業界情報を提供。業界調査はもちろん御社のビジネスを踏まえたうえでのアドバイスも承ります。

  • ケース2自社が業界内でどのような位置にいるか、客観的に知りたい。

    御社が提供する商品・サービスの業界内での売り上げランキングを調査し、報告。
    ライバル会社が明確になるため、営業戦略を立てる際の資料づくりや、上場の準備資料を揃えるのにお役立ていただけます。

お問合せ・資料請求はこちらから

業界調査関連 関連サービス

景気・業界の動向