2015/3/17
“地場系”ウイスキー&ビール&ワイン実態調査
地ウイスキー、クラフトビール、着実な成長 〜 国内酒類市場は縮小続くも、新興勢力が台頭 〜
はじめに
若者のハード・リカー離れ、健康志向、第三のビールやプライベート・ブランド商品に象徴される根強い低価格志向。国税庁調べの酒類出荷量(国産+輸入、国税庁調べ)によれば、酒類全体の出荷量は2010年に900万klの大台を割り込んで以来、低迷が続いている。特に、ビール、清酒、焼酎の三大カテゴリーにおいて、その傾向が顕著だ。 しかし、その一方で“地ウイスキー”やワイン、また一部のプレミアムビールや地ビールメーカーによる“クラフトビール”など、小規模な蒸留所、醸造所で作られる酒類の需要は確実に伸びている。 そこで、企業概要ファイル「COSMOS2」(146万社収録)から国内酒類メーカー1570社を抽出、これらのカテゴリーに所属する企業に焦点を絞り、分析を行った。同様の調査は今回が初めて。
調査結果
- 1 ウイスキー市場はサントリーとニッカウヰスキーの大手2社で市場の9割を占めており、地ウイスキーメーカーも10社にとどまる。しかし、規模は小さいながらも近年、世界的な知名度を誇る企業も登場してきている
- 2 ビール市場はアサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロの大手4社が市場の99%を占めているが、地ビールメーカーによるクラフトビールも一定の市場を形成、増勢傾向にある
- 3 ワイン市場はこの20年で完全に定着、輸入、国産とも伸びており、地場系ワインメーカーも100社超と裾野が広い。酒税法上、優遇されていることも普及の一因
