People & Stories見えない部分が見えてくるまで、ひたすら話を聞く

People & Stories山田 耕大Kodai Yamada
Q. 今、担当している業務を教えてください
今年で入社5年目になりますが、川崎と横浜のエリア内で調査業務を担当しています。入社して1年半の内勤を経てから調査員になったので、調査員としては4年目になります。私が入社する1期前の年から始まった「早期調査員プログラム」に手を挙げて、総務部で調査員のサポート業務をやりながら研修を受けて、その研修を終えた1年半後の夏ごろに、晴れて調査員としてデビューしました。
Q. 帝国データバンクにエントリーしたきっかけは?
間接的には、学生時代に中小企業の社長に弟子入りするという他社のインターンシップに参加したことがきっかけでした。それは中小企業の社長の付き人を1週間やるというもので、3社ぐらい体験しました。それがすごく楽しかったんです。それをきっかけにいろいろな業種の中小企業を就職活動で回ったのですが、途中で私は中小企業に入りたいのではなく、支援する側をやりたいということに気づきました。そこからコンサルタントや金融機関などを探して、最終的に経営者に直接取材ができる帝国データバンクにエントリーしました。今、私は27歳ですが、直接経営者に話を聞ける機会は同世代ではほぼないです。それは帝国データバンクというブランドがあってこそですが、二十代前半から経験できるのはとても魅力的です。

Q. 入社時に不安だったことはありますか?
不安なことは、結構たくさんありました(苦笑)。一番は社会人経験も実践経験もまったくない状態で経営者と話せるのかということでした。失礼がないように取材できるのかとか、対等に話せるのかどうかとか。実際に研修で取材してみて、どれだけ座学を学んでも絶対に補えないことに気づいたので、わからないことは「わからないです。教えていただけないでしょうか」と知ったかぶらずに素直に聞くことを徹底してやりました。若さもあってか、みなさん丁寧に教えてくださいました。そうした経験があって、今があると感じています。
Q. 日々の業務で大事にしていることはありますか?
納得感のある調査報告書をつくることですかね。経営者の話してることはすべて正しいと思って話を聞いていますが、社長がもっている情報とこちらのもっている決算書などの情報は、文脈の読み方によって若干のズレが生じることがあります。調査員になりたてのころは、それを調査報告書に書くにあたって整合性が取れないことがありました。先輩に見ていただきながら、そのズレを修正するにはかなりの時間がかかることもありました。今では、決算書の見方をしっかり学ぶことや経営者が話したことに対して思い込みをもたずに、「それはどういうことですか?」と何度も質問を重ねることで、徐々に修正されてきたような気がします。

Q. 調査員として心がけていることはありますか?
ひたすら話を聞くことですね。「なんでそうなったのか」「なんで、なんで」と常に聞き続けます。質問することが難しいと言う方もいますが、僕は会った人をその取材の間だけでも好きになるようにしているんです。すると興味が出てきて、「なんでそういうふうにしてるんですか?」とか、深く聞いていくと、その人の、実はこういう考えがあってこういうことをしてるのかとか、不思議と見えない部分が見えてくるようになるんです。
Q. この先のキャリアのイメージを教えてください
正直な気持ちとして、役職を上げたいというより、いろいろな経営者と会ってさまざまな考え方に触れて、自分が成長することができればと思っています。いろいろな方と出会って、中小企業の右腕みたいな存在になりたいというのが入社動機だったので、それが実現する可能性が高いところに飛び込んでいきたいです。経営者は孤独な側面もあると思うので、社内で話せないことも、山田であれば話しても・・・という人を、いかに増やせるか。それが僕にとってのこの仕事のやりがいでもあります。