2020/12/11
中国地方 後継者問題に関する企業の実態調査(2020年)
後継者不在率70.8%、全国9エリアで2番目に高く
〜 都道府県別、鳥取が2位、山口が3位、島根が4位、広島が8位に 〜
はじめに
高齢化社会が加速度的に進み、企業が経営を継続するうえで、円滑な事業承継がますます大きな課題となっている。経済産業省が2019年に公表した試算では、今後10年間に70歳を超える全国の中小企業経営者は約245万人と推計。同省は、後継者不在により廃業が急増すれば、2025年頃までに約650万人の雇用と約22兆円分のGDP(国内総生産)が失われる可能性があると指摘している。これまで培ってきた技術・ノウハウの次世代への伝承が地方経済の発展には不可欠で、M&Aやビジネスマッチングなど様々な取り組みが拡がりをみせている。コロナ禍で先行き不透明な状況が続くなか、中国地方の後継者問題はどのようになっているのだろうか。
帝国データバンク広島支店では、2020年10月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)および信用調査報告書「CCRファイル」(約180万社収録)をもとに、2018年10月〜2020年10月までを対象として、事業承継の実態について分析可能な中国地方に本社を置く1万4635社(全業種、法人・個人含む)について分析した。なお、今回の調査は2014年8月、2016年3月、2017年12月、2018年11月、2019年12月に続いて6回目。
調査結果
- 1 中国地方の後継者不在率は70.8%、全国9エリアで2番目に高く
- 2 業種別、『建設業』がトップの76.2%、4業種で7割を超える
- 3 売上規模別、『1億円未満』で8割近くが後継者不在、売上規模が小さいほど不在率高く
- 4 従業員数別、『10人未満』が最も高い75.9%、従業員数が少ないほど不在率高く
- 5 社長年齢別、『60歳以上』の49.2%が後継者不在
- 6 後継者あり、『子供』が最多の53.1%、『非同族』は24.7%
- 7 都道府県別、不在率トップ10に『鳥取』『山口』『島根』『広島』の4県がランクイン
