2020/12/14
岡山県 メーンバンク実態調査(2020年)
トップの中国銀行、シェア47.21%
〜 上位20位中、11の金融機関がシェアを拡大 〜
はじめに
2016年2月にマイナス金利政策が導入されて以降、地方経済を支える金融機関を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いている。中国地方にある地方銀行・第二地方銀行・信用金庫・信用組合の計38金融機関の2020年3月期(2019年4月〜2020年3月)における「利ざや」<貸出金利息(収入)−預金利息(支出)の差額>をみると、約6割にあたる23の金融機関で前期を下回るなど、収益悪化が顕著になった。近い将来、少子高齢化の加速とともに都市部への人口流出・集中する傾向が高まり、地方の資金需要が先細りする懸念が強まるなか、地域金融機関では収益改善につながるビジネスモデルの構築を急いでいる。また、政府・日銀が地域金融機関に対して経営統合や合併を促す動きを強めている。こうした状況のなかで、岡山県に拠点を置く金融機関の地元企業に対するシェアや取り組みの状況にどのような変化があるのだろうか。
帝国データバンク岡山支店で、2020年10月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」(全国約147万社)の中から岡山県内の企業(2万3957社)を抽出、メーンバンクと認識している金融機関について集計・分析した(%は小数点第3位を四捨五入、前年調査の対象企業数は2万4380社)。
なお、この調査は今回で11回目、調査対象は全業種・全法人(個人経営を含む)。
■2020年2月に合併した「備前信用金庫」と「日生信用金庫」は、「備前日生信用金庫」で集計。また、2020年4月に合併した「JA岡山東」「JA岡山西」「JA倉敷かさや」「JAびほく」「JA阿新」「JA真庭」「JA津山」「JA勝英」は、「晴れの国岡山農業協同組合」で集計
調査結果
- 1 トップは「中国銀行」でシェア47.21%(企業数1万1311社)。2位は「トマト銀行」で11.12%(2665社)、3位は「おかやま信用金庫」で10.48%(2510社)、この3つの金融機関で全体の68.81%を占めた。前年と比べて、上位5位まで変動なし
- 2 業種別では、「中国銀行」「トマト銀行」「おかやま信用金庫」が主要7業種で1位から3位を占めた。県外の金融機関では、「広島銀行」「百十四銀行」が主要7業種すべてでランクイン
- 3 取引先の売上規模別では、『10億円未満』までは「中国銀行」「トマト銀行」「おかやま信用金庫」が1位から3位を占めた。『10億円〜50億円未満』では「広島銀行」が3位、『50億円以上』ではメガバンクが上位に入った
