2016/4/27
特別企画 : 2016年度の業績見通しに関する栃木県内企業の意識調査
「増収増益」見込みは32.7%、都道府県別では全国第2位
〜 アベノミクスへの評価は60.3点、前年比4.1ポイント下落 〜
はじめに
4月21日発表の月例経済報告(内閣府)によれば、2月の消費総合指数は前月比0.2%減、公共投資は2月時点の公共工事出来高は前年比4.4%の減少、企業収益においては2015年10月〜12月の製造業の経常利益が前年比21.2%減少するなど、国内景気は実際の経済指標においても景気の陰りが鮮明化しつつある。一方で、栃木県内企業の景況感については、月次集計において2月3月と連続して過去1年間の最低値を記録している。アベノミクス効果に対する是非も議論される中、県内企業の業況は新たな局面を迎えつつあるようだ。
そこで帝国データバンク宇都宮支店は、栃木県内企業に対し2016年度の業績見通しに関する見解について調査を実施し、そのデータをまとめた。
■調査期間は2016年3月17日〜31日、調査対象は全国2万3,342社で、有効回答企業数は1万622社(回答率45.5%)。うち、栃木県内企業は257社で、有効回答企業数は114社(回答率44.4%)から回答を得た。今回の調査は全国調査分から栃木県の企業分を抽出・分析したもの。
業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し、今回で8回目
■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(https://www.tdb-di.com/)に掲載している
調査結果
- 1 2016年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は32.7%。この数字は、都道府県別で見ると全国第2位の高水準。2015年度実績見込みからは2.0ポイント増加した。「減収減益」は20.4%と3.3ポイント減少、「前年度並み」は14.2%と6.3ポイント増加した。ただし、従業員数別で見ると従業員数51名以上の企業の増収見込みが目立ち、規模間格差が拡大する傾向は強まっている。
- 2 2016年度業績見通しの上振れ材料は「個人消費の回復」が38.6%でトップとなり、「公共事業の増加」「所得の増加」が続いた。一方下振れ材料は「個人消費の一段の低迷」が46.5%でトップとなり、「外需(中国経済の悪化)」「所得の減少」が続いた。特筆すべきは、「外需(中国経済の悪化)」が前年度より25.0ポイント増加、「外需(米国経済の悪化)」も8.3ポイント増加し、外需が業績に影響を与えることを懸念する企業が大幅に拡大している。
- 3 安倍政権の経済政策(アベノミクス)の成果に対する企業の評価は、100点満点中60.3点。大企業の評価が60.5点、中小企業の評価が60.2点と規模間格差はない。県内大企業の評価は全国評価と比べるとやや低く、アベノミクスの恩恵をあまり感じ取れていない実情も窺える。
