レポート

介護・福祉関連サービス業界の動向と展望

高齢化進み介護需要増のなかで人手不足が慢性化、介護報酬改定で処遇改善が進む

2026/01/30

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

介護サービス、有料老人ホーム

2024年度
2025年度

福祉用具製造、レンタル・販売

2024年度
2025年度

■SUMMARY

介護業界は、高齢化の進展にともない「介護保険制度」が2000年に導入されて以来、「施設」、「居宅」、「地域密着型」介護サービスを中心に急速に拡大してきた。介護保険制度は公的保険を基盤としており、40歳以上の国民が加入する仕組みである。これらの要介護認定者向けのサービスはもちろん、2017年から要支援者向けサービスとして介護予防や日常生活支援を対象とした「介護予防・日常生活支援総合事業」も展開されている。

民間事業者は、有料老人ホームや訪問介護、福祉用具レンタルなど幅広い形態で参入可能である。人口構造の変化により、介護市場の拡大は今後も続くと予想されており、業界には持続的な成長の機会が広がっている。

直近では、高齢化の進展にともなう介護サービス需要の増加が市場拡大を後押ししている。特に新型コロナの行動制限解除後にはサービス利用や施設入居率の改善が見られた。さらに、ICT導入や介護ロボットの活用を促進する政策が進められ、事業効率化を目指す動きが活発化している。

一方、急速な高齢化により認知症人口の増加が懸念されており、これに対応するための医療・介護体制の充実も求められている。また、介護報酬改定による処遇改善が進む中、介護職員の確保は引き続き業界における重要課題となっている。外国人介護職員の受け入れ拡大も焦点のひとつである。

業界の課題としては、人手不足が慢性化している点が挙げられる。2025年には「団塊の世代」が後期高齢者となり、介護需要が急増する「介護の2025年問題」が顕在化した。さらに、エネルギー価格や資材費の上昇、人件費増加などによる運営コストの増大が、特に小規模事業者に厳しい影響を与えている。訪問介護サービスの収益性低下や倒産リスクも業界全体の持続可能性に影響を及ぼしている。また、財源不足を背景に利用者負担の拡大が避けられない状況であり、介護保険制度の持続可能性をめぐる議論が進んでいる。

このレポートでは、介護業界の市場構造や政策動向を整理し、ICT導入や生産性向上、介護報酬改定の影響などを中心に述べる。市場動向では、介護サービスや福祉用具製造・レンタル業を含む各分野の状況を概観し、業界が抱える課題と今後の展望を示す。業績動向では主要企業の2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 介護サービス業、有料老人ホーム業の業績動向
  • 福祉用具製造業、同レンタル・販売業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
  • 関連コンテンツ
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