レポート

京都府の菓子製造業者の経営実態調査(2022年)

コロナ禍から徐々に回復、増収に転じる ~依然として回復途上、コロナ禍前の水準には及ばず~

2023/06/29

はじめに

京都府の菓子製造業は2019年まではインバウンド需要の高まりなどを受け、比較的堅調な推移であったものの、2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上減を強いられる企業が増加した。特に土産物や観光客向けの落ち込みは大きく、コロナ禍の長期化で回復が遅れた業種の一つと言える。
2022年は同感染拡大の影響が収束に向かい、国内景気は徐々に回復、菓子製造業者においても持ち直しの動きがみられた。一方、ロシア軍のウクライナ侵攻や円安などを背景に仕入価格の高騰が続き、企業収益改善の遅れが浮き彫りとなった。
2023年春以降は、社会経済活動の正常化に伴って景況感は改善基調となり、菓子業界の需要も回復傾向にあるが、依然としてコスト高は続いている。収益性改善が遅れるなか、夏以降はコロナ融資の返済が本格化するため、経営者は難しい舵取りを迫られている。
帝国データバンク京都支店は、2023年5月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」に収録されている企業(147万社)の中から、2022年決算(1月期~12月期)の年売上高が判明した京都府の菓子製造業者を抽出し、売上状況について集計・分析した。

調査結果

  1. 2022年(1月期~12月期)で売上高が判明した京都府下の菓子製造業者188社の総売上高は前年比12.4%増の714億円となった
  2. 2021年まではコロナ禍で「減収」企業が6割弱を占めていたが、2022年は「増収」が4割強、「減収」が2割弱となり、業績が回復する企業が増加した
  3. 業歴別では、「50年?100年未満」の 78社が最多、「100年以上」の老舗メーカーは42社となり、業歴50年以上の企業が全体の約6割強を占めた
  4. スーパーマーケットや量販店向けなど様々な販路を確保し、インターネット通販やSNSといった新たな手法を活用した企業が増収となった
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 京都支店情報部 TEL:075-223-5111