レポート焼酎メーカー売上高ランキング(2020年)

減収企業は過去最多、“巣ごもり需要”が明暗分ける ~ 霧島酒造が9年連続でトップ ~

2021/08/24

はじめに

国税庁が発表した2019年度(令和元年度)の国内酒類消費量は、約813万900キロリットルと、前年度比1.4%減少した。減少するのは4年連続。他方、ウイスキー(前年度比6.1%増)はハイボール需要の拡大、リキュール(同5.0%増)やスピリッツ(同13.8%増)は缶チューハイや缶カクテルなどのRTD(Ready to Drink)飲料市場の拡大により、それぞれ消費量や伸び率は増加傾向にある。

一方、焼酎消費量は前年度比3.0%減の約75万5800キロリットルと年々減少傾向で推移し、さかのぼって確認できる2007年度(100万4700キロリットル)以降、2年連続で80万キロリットルを割り込んだ。酒離れや消費者嗜好の多様化等により厳しい状況に立たされるなか、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響で外食産業向けの販売が激減し、酒類業界全体が打撃を受けている。新型コロナの影響が長引くなか、 外食産業向けの販売減を“巣ごもり需要”によってどれだけカバーできるかが、今後の重要なポイントとなろう。

帝国データバンク福岡支店では、売上高に占める焼酎・泡盛の割合が5割以上となった酒類製造業者(焼酎・泡盛以外の事業で計上した売上高も含む)を『焼酎メーカー』と定義。企業概要ファイル「COSMOS2」(約147万社収録)より、全国の焼酎メーカーの2020年(1月期~12月期)売上高をランキング形式により抽出し、上位50社の売上高や利益動向などについて集計した。なお、本調査は2020年8月に続く18回目。

調査結果

  1. 2020年の売上高ランキングは、「黒霧島」で知られる霧島酒造(株)(宮崎県都城市)が9年連続でトップ。2位は、「いいちこ」ブランドを主力とする三和酒類(株)(大分県宇佐市)。3位にはオエノンホールディングス(株)(東京都墨田区)を持株会社とする「オエノングループ」の焼酎事業が入った
  2. 上位50社の売上高合計は2907億7900万円と、前年比3.2%減少した。なお、「オエノングループ」の売上高を除外し51位の売上高を加算して計算した調整後の売上高合計は前年比3.9%減の2519億8400万円と、比較可能な2005年以降では過去最低を記録した
  3. 上位50社のうち「減収」企業は39社と、2003年の調査以降、最も多かった。売上高規模別にみると、「100億円以上」を除く全ての区分で減収企業の割合が半数を超えた
  4. 税引き後当期純利益が判明した42社のうち、「赤字」企業は11社
  5. 都道府県別にみると、社数は「鹿児島県」が23社、売上高合計は「宮崎県」が825億6800万円で、それぞれトップとなった
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 福岡支店 TEL:092-738-7779 FAX:092-738-8687