【目次】
■業界の概要
■市場の動向と展望
■治験支援業、臨床検査業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■業界の概要
医療・医療品開発をサポートする治験支援
治験支援は、製薬企業の治験代行・支援を行うCRO(医薬品開発業務受託支援機関)と医療機関における同業務であるSMO(治験施設支援機関)に区分される。
CROは、プロトコール(治験実施計画書)の開発から試験薬の供給、モニタリング、データ管理、統計解析、レポート作成など、さまざまな治験関連の業務を提供する。近年、新たな治験技術の導入やバイオ医薬品開発の増加などを背景にCRO業界は世界的に成長している。
SMOは、治験を実施する病院や医療機関を管理し、スポンサーとの連携を支援する。治験サイトの選定、予算管理、リクルーティング、モニタリングサポート、規制遵守などの業務を手掛ける。近年、SMO業界は買収や統合が進み、大手SMOがシェアを拡大している。
両業界ともに、人工知能(AI)やデジタル技術の活用が進み、データマイニングや予測モデリングを通じた効率的な試験デザイン、リアルタイムデータモニタリングなどが取り入れられている。バイオ医薬品開発や個別化医療の需要の増加に伴い、治験の規模拡大や複雑化が進んでいるほか、グローバル市場を見据えた医薬品開発では治験の国際共同研究や多国籍企業によるアウトソーシングが増加しているのも業界成長の要因となっている。
個人情報保護や規制厳格化により、データセキュリティとコンプライアンスへの取り組みがよりいっそう求められている。
医療機関からの外部委託で成長した臨床検査
臨床検査には患者から採取した検体を調べる「検体検査」と、心電図などを調べる「生理機能検査」がある。かつては医療機関の中で検査が行われていたが、医療の高度専門化や予防医療の広がりなどを背景に外部業者への委託が進んだ。
2年に一度の診療報酬の改定により、検査料金の見直しや新たな検査項目の追加変更が行われ、臨床検査業者は収益モデルや事業戦略に影響を受ける。近年は、高度な遺伝子検査の普及や、臨床検査のプラットフォームの進化やデジタル化により、自動化やロボット化、人工知能(AI)の導入などが進み、検査の効率性や精度が向上している。
■業界天気図
業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。
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臨床検査