レポート

特別企画 :第6回 東海3県の航空機産業動向調査

合計売上高1513億9900万円、5.0%増加 ~ 愛知県の企業数が全国トップに ~

2015/11/13

はじめに

航空機・航空機部品生産額に占める東海3県(愛知、岐阜、三重)の割合は全国の50%に達するといわれる。戦前の「ゼロ戦」に始まり、戦後は国産初の旅客機「YS-11」の生産拠点として航空機産業に関する技術的ノウハウを蓄積してきた歴史がある。

国産ジェット旅客機「MRJ」は、本格的な開発の着手から約7年半の歳月を経て11月11日に待望の初飛行を実現した。受注はすでに400機を超えており、型式証明取得のための飛行試験を重ねたのち、2017年4~6月の初号機納入というスケジュールが着々と進行している。

帝国データバンク名古屋支店は、企業概要データベース「COSMOS2」(146万社収録)をもとに東海3県に本社を置く航空機関連企業74社について、2014年度(2014年4月~2015年3月)の業績、事業規模、所在地などを調査・分析した。なお、同調査は今回が6回目。

調査結果

  1. 全国の航空機関連企業219社のうち、東海3県に本社を置く企業は74社(33.8%)、全国に占める割合は3割を超えた。愛知県は39社となり、東京都を抜いて初のトップ。
  2. 東海3県の航空機関連企業74社の2014年度の売上高合計は、1513億9900万円で前年度から5.0%増加。一方、「増収」企業は41社(構成比55.4%)と前期(50社、同67.6%)から減少した。
  3. 当期損益額が判明した44社の2014年度の当期損益合計は、131億6986万円の赤字。MRJを製造する三菱航空機の赤字が2014年度は177億1500万円に達した(2013年度は94億500万円の赤字)ことが主な要因。44社の損益状況は「黒字」が38社(86.4%)、赤字が6社(13.6%)だった。
  4. 74社を従業員規模別に分析すると、「従業員100人以上」の企業が24社、32.4%を占めた。従業員が多い企業は、三菱航空機(1500人)、東明工業(1300人)、MHIエアロスペースプロダクション(1000人)、アイコクアルファ(970人)など。
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