レポート

「玩具店(おもちゃ店)」業界動向調査(2025年度)

玩具店市場、 過去最高の7620億円 市場拡大も品目で明暗

株式会社帝国データバンクは、2026年9月時点における帝国データバンクが保有する企業概要ファイル(COSMOS2、約151万社収録)、および企業信用調査報告書(CCR、約200万社収録)、外部情報などを基に「玩具・娯楽用品小売業(おもちゃ屋、玩具店)」の動向について調査・分析を行った。               

SUMMARY

2025年度における全国の「玩具店」市場(事業者売上高ベース)は、前年度から8.6%増加し、7620億円となった。2015年度以降で最高を更新し、コロナ禍で来店客が大きく減少した2020年度(4254億円)からは約1.8倍に拡大した。ただ、成長をけん引したのはカプセルトイやトレーディングカード(トレカ)の専門店が中心で、おもちゃの品ぞろえで勝負する従来型のおもちゃ店では苦戦が鮮明となっている。

                         

玩具店の業績データは一部推定・予想値およびセグメント売上高(判明分)を含む。

トレーディングカード・カプセルトイ各専門店の区分は帝国データバンクの把握による。        


玩具店市場、過去最高の7620億円 市場拡大も品目で明暗

2025年度における全国の「玩具店」市場(事業者売上高ベース)は、前年度から8.6%増加し、7620億円となった。2015年度以降で最高を更新し、コロナ禍で来店客が大きく減少した2020年度(4254億円)からは約1.8倍に拡大した。ただ、成長をけん引したのはカプセルトイ(ガチャ)やトレーディングカード(トレカ)の専門店が中心で、品ぞろえで勝負する従来型のおもちゃ店では伸び悩みが鮮明となっている。

2020年度を100とした指数でみると、2025年度はガチャ専門店が385、トレカ専門店が307と、過去5年で3~4倍に急伸した一方、おもちゃ店は151にとどまった。また、2025年度における玩具店市場の前年度からの増加分(602億円)のうち、7割超をガチャ・トレカ専門店が占めた。両業態の市場シェアは2015年度の9.9%から27.5%に拡大し、玩具店市場全体の4分の1超を担う存在に急成長している。

従来型のおもちゃ店が苦戦する背景には、ネット通販や他業態との競合による要素が大きい。近年は、大手家電量販店をはじめベビー・キッズ向け用品を安価に取り扱う店舗が増え、郊外や地方の単独店では来店客の減少や、メーカー直販の拡大で売れ筋商品の入荷に苦戦するなど、顧客のつなぎ止めに苦慮するケースが少なくない。かつて収益の柱だった「ゲームソフト」の販売も、ダウンロード販売の普及によって需要が減少し、店頭への来店動機を弱めている。

玩具店市場のけん引役が、大人向けの「キダルト」需要に変化している点も逆風となった。カプセルトイは主な顧客層が子どもから10~30代女性など購買力のある大人にシフトし、400~500円の精巧なフィギュアや雑貨、人気キャラクターとのコラボ商品が売れ筋となっている。こうした大人需要の多くは、特定のキャラクターを狙う「指名買い」や、ガチャを「引く」体験そのものを楽しむコト消費で、棚を見て回りながら選ぶ従来型のおもちゃ店との相性は必ずしも良いとは言い切れない側面もある。

こうしたなか、10月1日に玩具専門店大手の日本トイザらス(神奈川)が民事再生法の適用を申請した。おもちゃ量販店としては過去最大の倒産となる。郊外の大型店を中心に全国展開してきた同社は、郊外型の大型店舗からコンパクトな都市型店舗の転換や、ベビー関連用品や知育玩具、キダルト向けの品ぞろえ強化、EC販売への注力などを進めていた。ただ、米Amazonや大手家電量販店などと品ぞろえや価格面での競争が激しく、子ども向け需要の落ち込みを補えないまま、自力での事業再建を断念した。


かつておもちゃ店の「広い売り場に何でもそろう」という最大の強みを失いつつあるなかで、「何でもある店」から「行く理由のある店」への転換が今後のおもちゃ店に求められる局面となっている。

20261001_「玩具店」業界動向調査2026

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