レポート2023年本社移転動向調査（千葉県）

はじめに

コロナ禍を機にリモートワークやウェブ会議システムが普及し、東京に本社を置く必要性が薄れつつあるなか、本社オフィスの「存在意義」も改めて問われている。従来に比べて、東京からの距離に縛られない移転も増える傾向にあり、この動きがアフターコロナ下における一般的なものとして定着するのか注目される。
帝国データバンク千葉支店では、2023年までの本社所在地の「千葉県からの転出が判明した企業」や「千葉県への転入が判明した企業」を、自社データベース・企業概要ファイル「COSMOS2」から抽出。転出企業の移転先、転入企業の移転元、業種別、売上高規模別に集計し、分析を行った。
なお、本社とは本社機能（事務所など）の所在する事業所を指し、商業登記上の本店所在地と異なるケースがある。

調査結果

1.   2023年に千葉県から転出した企業は125社判明、前年（116社）を9社上回った（7.8％増）。一方、千葉県へ転入した企業は152社判明、前年（150社）を2社上回った（1.3％増）。転入が転出を27社上回り、「転入超過」となったが、超過社数は前年の34社からは7社減少
2.   転出先・転入元とも「東京都」が多数を占める
3.   業種別でみると、「サービス業」が転出・転入とも最多となった。転入超過は「運輸・通信業」（13社）、「サービス業」（8社）、「卸売業」「製造業」（各3社）、「建設業」（2社）、「その他」（1社）の6業種、転出超過は「不動産業」（2社）、「小売業」（1社）の2業種
4.   売上高規模別でみると、転出・転入とも「1億円未満」の規模の小さい企業が多数を占めた。「100億円以上」では転出が3社、転入が2社判明した