レポート愛知県の社長分析

はじめに

国内で高齢化が進んでいる。「平成29年版高齢社会白書」（内閣府）によると、65歳以上の高齢者人口は3459万人に達し、総人口の27.3％を占めた。2065年には約2.6人に1人が65歳以上になることが推計されており、高齢化による様々な影響が懸念されている。企業においても経営者の年齢は上昇傾向で推移しており、円滑な事業承継が企業の持続的繁栄のカギとなっている。

帝国データバンク名古屋支店は、2018年1月時点の企業概要データベース「COSMOS2」（約147万社収録）から愛知県に本社を置く企業（個人、非営利、公益法人等除く）の社長データを抽出、業種別、年商規模別、出身地別、出身大学別に集計･分析した。

調査結果

1. 2017年の愛知県の社長交代率は3.70％で前年(3.93％）を0.23ポイント、全国平均（3.79％）も0.09ポイント下回り、世代交代が進んでいない実状を裏付けた。なお、東京都は4.55％（前年は4.84％）、大阪府は3.90％（同4.15％）だった。
2. 社長の平均年齢は58.6歳、全国平均の59.5歳を0.9歳下回っているが、前年の58.4歳を0.2歳上回った。60歳以上の社長は2万5963人、全体（生年月日が判明した5万5415人）の46.9％を占め、全国平均の51.7％を4.8ポイント下回った。
3. 社長の出身大学別ランキングでは、1位は6年連続で「名城大学」（1373人）、2位は「愛知学院大学」（1332人）、3位が「愛知大学」（811人）と地元有力大学が上位を占めた。4位は「日本大学」（633人）、5位は「慶應義塾大学」（601人）。上位10校の顔ぶれは前年から変わりはなく、このうち県外校は3校にとどまった。
4. 出身地別に社長数を比較すると、1位は「愛知県」の4万1909人（構成比83.3％）。2位は「岐阜県」の1829人（同3.6％）、3位は「三重県」の921人（同1.8％）となり、東海3県出身の社長が9割近くを占めた。