レポート2023年の「周年企業」と「長寿企業」の実態調査（九州・沖縄地区）

はじめに

2022年はロシアのウクライナ侵攻を発端とする世界情勢の混乱をはじめ、円安や原材料価格・燃料費の高騰など企業が事業活動を行う上で収益性に重くのしかかる出来事が多い1年となった。

2023年は、新型コロナウイルスの第8波の本格的に到来。感染者数の増加が懸念されているとともに、水際対策の大幅緩和や全国旅行支援の継続から経済の再生へ期待がかかる。なお、節目の年を迎える企業にとっては、長い業歴・沿革を振り返る機会でもあり、自社の強みやアピールポイントを再認識する契機にもなり得る。脱コロナ禍への機運が高まるなか、時流を押さえた柔軟な対応が引き続き重要となろう。

帝国データバンク福岡支店では、企業概要データベース「ＣＯＳＭＯＳ２」（約147万社収録）から、九州・沖縄地区（以下、九州）に本社を置き、2023年に創業・設立（以下、創業）から10年刻み（ただし、200周年以降は50年刻み）の節目を迎える企業を抽出し、「周年企業」として集計。また、2023年に100周年を迎える企業を含めた創業100年以上の企業を抽出し、「長寿企業」として集計した。

同調査は2021年12月に続いて13回目。

調査結果

1. 2023年に節目となる「周年」を迎える企業は１万6985社。「50周年」が2863社（構成比16.9％）で最多。「100周年」は173社（同1.0％）
2. 「周年」企業を業種別にみると、「サービス業」が2491社（構成比29.4％）で最多。110周年以上では「製造業」、100周年では「卸売業」、50周年と30周年では「建設業」が最多と、業種別構成は周年ごとにバラつきがある
3. 「長寿」企業は3378社。「明治時代」の創業が1595社（構成比47.2％）で最多
4. 「長寿」企業を業種別にみると、「製造業」が最多となり、「小売業」「卸売業」が続いた。地域別では「福岡県」が1053社（構成比31.2％）で最多