レポート広島県　リスキリングに関する企業の意識調査

人手不足が深刻化するなか、「人への投資」による生産性向上は、企業経営にとって看過できないテーマとなっている。賃上げ機運が高まるなか、人材の確保・定着に欠かせない賃上げ原資を確保するためには、1人当たりの労働生産性を高めることが求められている。

リスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」で、世界経済フォーラムにおいては、2018年から3年連続でリスキリングセッションが開催された。

日本では「骨太の方針」に盛り込まれ、2022年に岸田前首相がリスキリング支援として5年間で1兆円を投じると表明し、政府も助成金などあらゆる支援策を積極的に講じている。石破首相の所信表明演説でもその重要性が触れられるなど、近年より一層注目度が高まっている。

そこで、帝国データバンク広島支店では、リスキリングに関する企業の意識などを集計・分析した。調査期間は2024年10月18日～31日、調査対象は広島県に本店を置く企業711社で、有効回答企業数は266社（回答率37.4％）。

調査結果（要旨）

1. リスキリングに「取り組んでいる」企業は9.8％、「今後、取り組みたいと思う」企業は19.9％で、これらを合計した『リスキリングに積極的』な企業は29.7％にとどまる
2. リスキリングの取り組み、「従業員のスキルの把握、可視化」が49.4％で最も高く
3. リスキリングに取り組む上での課題、「対応する時間が確保できない」が42.5％でトップ

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