レポート株式会社センチュリー

2023/06/08

TDB企業コード:500136085 滋賀県甲賀市 元・「センチュリー・シガ・ゴルフクラブ」経営 京都財界向けを中心として開設した名門ゴルフ場 特別清算を申請 負債55億円

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「滋賀」 (株)センチュリー(資本金1億円、甲賀市甲南町池田上梅田2118、代表清算人滝西泰勲氏)は、6月1日に大津地裁へ特別清算を申請した。

 申請代理人は東畠敏明弁護士(大阪府豊中市緑丘5-6-1、東畠法律事務所、電話06-6858-1829)ほか4名。

 当社は、1972年(昭和47年)5月に設立した元・ゴルフ場経営業者。京都財界向けを中心として開場したゴルフ場「センチュリー・シガ・ゴルフクラブ」の経営を手がけ、コースは全18ホール(パー72)でオープン以来、当地名門のゴルフ場としての知名度を獲得。滋賀県を中心に京都府や大阪府、三重県からの来場者が多くを占めていた。

 バブル崩壊後の景気低迷の影響を受け業績悪化を招き、会員預託金の返還要求の高まりに対処できず、2001年4月24日に民事再生法の適用を申請、2002年7月10日に大津地裁より再生計画の認可決定を受けていた経緯がある(2005年7月19日に再生手続き終結)。

 その後は、全カートにGPSナビゲーションシステムを搭載し、セルフプレーのニーズに対応していたほか、立地面では新名神高速道路の甲南インターから車で5分程度の好立地で、預託会員は約800名を擁し、2019年3月期には年収入高約4億1000万円を計上していた。

 しかし、近年は近郊のゴルフ場との競合が激しく、利用客数の減少を余儀なくされていた。また、退会希望の会員に対して2012年以降、毎年の弁済を実施してきたものの、多くの退会希望者に対する弁済が実現できない状況となっていた。クラブハウスやカート道、ボイラーなどの設備老朽化により、大規模修繕の実施および設備更新に多額の資金を必要としていたが、収益性改善が進まない中、自己資金での費用捻出余力がないため、2023年5月31日株主総会の決議により解散、今回の措置となった。

 負債は預託金約43億円を含む約55億円が見込まれる。

 現在、ゴルフ場の営業は継続中。なお、当社の事業は会社分割により新会社に承継し、会員には預託金や入会金の負担なくプレー権を確保することでゴルフ場運営を継続する計画。

 また、債権者説明会は6月24日(土)午前10時45分より、ピアザ淡海ピアザホール(滋賀県大津市)にて開催される予定。