レポート冨士印刷株式会社

2023/03/13

TDB企業コード:200257242 東京都千代田区 昭和21年創業、印刷 続報、新型コロナウイルス関連倒産 自己破産を申請 負債43億円

冨士印刷(株)入居のビル(事業停止時)

「東京」 既報、冨士印刷(株)(資本金4000万円、千代田区神田三崎町3-4-10、代表秋元裕氏)は、3月13日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は金井暁弁護士(千代田区麹町2-3、大知法律事務所、電話03-6261-2501)ほか4名。

 当社は、1946年(昭和21年)4月創業、67年(昭和42年)7月に法人改組した印刷業者。首都圏の印刷会社からの下請け受注を基本とし、商業印刷物を中心にインライン加工や定期刊行物印刷、製本を手がけていた。神奈川や埼玉にも拠点を有し、長年の業歴で大手印刷業者などから相応の受注を確保。大口得意先からの受注が堅調で、新規開拓も積極的に進めていた2007年6月期には年売上高約53億2000万円を計上していた。

 しかし、消費者の紙離れが進んだことで雑誌関連を中心とした受注が低迷。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、業容が縮小していた。このため、不採算となった工場を閉鎖するなど事業の再編に注力していたが、印刷需要の減少に伴い売り上げが減少。コロナ禍での受注減もあって、2022年6月期の年売上高は約22億円に落ち込んでいた。業績回復のメドも立たないなか、制度融資などを活用してしのいでいたものの、原材料費の高騰も相まって資金繰りが急速に悪化し、1月4日に事業を停止、今回の措置となった。

 負債は債権者約300名に対し約43億円。