2022/9/29
脱炭素社会に向けた企業への影響調査(2022年)
「脱炭素化」、事業に「好影響」は14.0% 一方、悪影響は19.5%に
〜 自動車産業の約5割がEV普及を「マイナス」と回答 〜
はじめに
「脱炭素化」を目指す動きが世界的に加速している。日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを宣言しており、7月27日に脱炭素関連政策を推進する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の初会合を開いた。会議ではGX実現に向けて、今後10年間で官民合わせて150兆円の投資を実現する方針が示された。
他方、脱炭素の実現に向けた一つの戦略として、政府は2035年までに新車販売で電動車100%の実現を表明している。こうした動きへの対応はビジネスチャンスとなる一方で、対応が遅れた場合は事業にマイナスの影響をもたらすことが危惧されている。
そこで、帝国データバンクは、脱炭素社会に向けた企業への影響についてアンケート調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年7月調査とともに行った。
■調査期間は2022年7月15日〜31日、調査対象は全国2万5,723社で、有効回答企業数は1万1,503社(回答率44.7%)。脱炭素社会に関する調査は、2021年6月に続いて今回で2回目
■本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
- 1 脱炭素社会の進展が自社の事業に「プラスの影響」があるとした企業は14.0%だった一方、「マイナスの影響」は19.5%となり、マイナスの影響がある企業はプラス影響がある企業を5.5ポイント上回った。他方、「影響はない」は33.8%となった
- 2 EVの普及が自社の事業に「プラスの影響」があるとした企業は12.3%となった一方、「マイナスの影響」とした企業は13.8%であった。他方、「影響はない」は42.3%となった
- 3 EVの普及による「自動車関連業種」への影響について、「プラスの影響」とした企業は16.5%となった一方、「マイナスの影響」とした企業は46.5%となり、全体を大幅に上回った。他方「影響はない」は13.2%であった
