はじめに
独立系のブレーキメーカーである曙ブレーキ工業(東証1部)は、1月29日に事業再生実務家協会に対し、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)手続きについての正式な申請を行い、同日付で受理されたことを翌30日に発表した。同手続きは主に取引金融機関に対し借入金の返済猶予等によって再建を目指すため、一般の取引先(得意先、仕入先等)に影響を及ぼすものではないとしているが、今後進められる事業再生ADR手続きのなかで、どのような経営改善施策が事業再生計画案のなかに盛り込まれるのか注目される。
帝国データバンクは、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)のなかから、曙ブレーキ工業グループと直接、間接的に取引がある下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、都道府県別、業種別、年商規模別に集計・分析した。
曙ブレーキ工業グループの下請企業実態に関する調査は、今回が初めて。
■調査対象は、曙ブレーキ工業本体のほか、同社の2017年度・有価証券報告書に記載がある国内連結子会社(曙ブレーキ山形製造、曙ブレーキ福島製造、曙ブレーキ岩槻製造、曙ブレーキ山陽製造、曙ブレーキ中央技術研究所、あけぼの123、アロックス、曙アドバンスドエンジニアリング)の計9社とした
■抽出条件は、製造業、卸売業、サービス業の3業種<食品や非営利団体など曙ブレーキ工業グループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の企業(個人含む)とした
■曙ブレーキ工業グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした
■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、弊社調査後に変動している可能性もある
調査結果
- 曙ブレーキ工業の下請企業は全国で2782社(一次下請先282社、二次下請先2500社)にのぼることが判明。これらの一次下請先、二次下請先の総従業員数は16万5119人
- 都道府県別に見ると、「東京都」(598社、構成比21.5%)がトップ。以下、2位は「埼玉県」(333社、同12.0%)、3位は「大阪府」(241社、同8.7%)の順
- 業種別に見ると、一次下請先では「その他の化学製品卸」「機械工具卸」が各13社(構成比4.6%)で最多。二次下請先では、「その他の化学製品卸」が114社(同4.6%)で最多
- 年商規模別に見ると、「1億~10億円未満」が1379社(構成比49.6%)で最多。「1億円未満」(338社、同12.1%)と合わせて、全体の6割強が年商10億円未満の中小企業

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