レポート

電線・ケーブル業界の動向と展望

AI・脱炭素化を追い風に高付加価値領域へ展開する電線・ケーブル業界

2026/09/30

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

電線・ケーブル

2025年度
2026年度

■SUMMARY

電線・ケーブル業界は、銅やアルミなどの導体を用いて電力や信号を伝送する製品を製造し、電力供給や情報通信を支える。用途は、送配電や建物配線に用いる電力用電線、環境負荷を抑えたEM電線・ケーブル、光ファイバーを含む通信用電線、モーターなどに使う巻線、電子機器向け電線、自動車などの輸送用電線に大別される。近年は、通信の光化や車両の電動化、再生可能エネルギーの導入拡大を背景に、高速通信、高電圧、耐熱・耐火、環境対応といった高度な機能を備える製品の重要性が高まっている。

最近の市場では、国内の銅電線需要が建設工事の長期化や通信インフラの光化などから伸び悩む一方、銅価格の上昇や高付加価値製品への需要シフトにより、出荷金額は増加傾向にある。生成AIの普及に伴うデータセンター建設の拡大は、光ファイバーケーブルや光コネクターなどの情報通信関連製品に新たな成長機会となっている。加えて、送配電網の強靱化、再生可能エネルギー設備、都市再開発、半導体工場などに関連する需要も底堅い。国内市場の大幅な拡大が見込みにくいなか、各社は海外での生産・販売体制を強化し、電力インフラやデータセンター向け需要の取り込みを進めている。

主な課題は、原材料価格と為替相場の変動、人手不足、環境・安全規制への対応である。主原料となる銅やアルミは国際市況や地政学リスクの影響を受けやすく、安定調達と販売価格への適切な転嫁が収益確保の鍵となる。製造現場や建設・電気工事現場では人材不足が深刻化しており、工期の長期化や生産能力の制約につながっている。外国人材の活用に向けた制度整備が進む一方、多言語での教育や作業手順の整備、安全管理の徹底が必要である。また、脱炭素化や資源循環への対応、生産設備の省エネルギー化、化学物質管理の強化も継続的な投資負担となる。

このレポートでは、電線・ケーブル業界の構造と用途別の特徴を概観し、銅電線や光製品を中心とする国内外の市場動向を整理する。また、銅電線の出荷量・出荷金額、光製品の出荷金額、生成AI特需による大規模投資計画などについて述べる。業績動向では主要企業の2024年度、2025年度の実績と2026年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 電線・ケーブル製造業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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