レポート東海3県のトヨタ自動車グループ下請企業調査(2019年)

トヨタの下請、「愛知」が7211社で全国最多 ~ 「増収」企業は「減収」企業の2倍超 ~

2019/03/14
サプライチェーン  輸送機械

はじめに

トヨタ自動車が2月6日に発表した2018年4~12月期(第3四半期累計)連結決算によれば、同社グループの世界販売台数が約800万台、売上高は最高を記録した。国内では、新型「クラウン」や「カローラスポーツ」の投入などのほか、高級車ブランド「レクサス」の販売も好調に推移しており、国内製造業を力強く牽引する原動力となっている。

他方、「CASE(コネクティッド化・自動運転化・シェア/サービス化・電動化)」と呼ばれる技術革新の波が押し寄せるなか、同社でも電動化など「未来のモビリティ社会」の創出を目指しており、従来の自動車関連産業に構造変化が起きる可能性も指摘されている。

帝国データバンク名古屋支店は、企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)の中から、2019年2月時点でトヨタ自動車グループと直接、間接的に取引がある東海3県(愛知・岐阜・三重)の下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、分析した。


■本調査では、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)の中から、トヨタ自動車グループと直接、間接的に取引がある下請企業(一次下請、二次下請)を分析した

■「トヨタ自動車グループ(以下、トヨタグループ)」は、トヨタ自動車および同社の2018年度・有価証券報告書に記載のある国内製造子会社・持分法適用関連会社(アイシン精機、デンソー、トヨタ紡織など)など計16社が対象

■トヨタグループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■「製造業」「卸売業」「サービス業」の3業種における自動車製造等に関連する企業で、資本金3億円以下の企業を、トヨタグループの「下請企業」と定義した

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、変動している可能性もある

調査結果

  1. 東海3県のトヨタ自動車グループ(主要関連会社・子会社16社)の下請企業(一次下請・二次下請)の合計は、8878社(一次下請2260社、二次下請6618社)であることが判明した。全国では、3万8663社(一次下請6091社、二次下請3万2575社)。
  2. 都道府県別にみると、グループ拠点が集積している「愛知県」が7211社(全国構成比18.7%)で最多、全国でもトップとなった。「岐阜県」は971社(同2.5%)で47都道府県中第8位、三重県が696社(同1.8%)で第13位だった。東海3県で全国の約4分の1を占めている。
  3. 業種別にみると、社数が多い業種は一次下請で「自動車部分品・付属品製造業」、次いで「金型・同部分品・付属品製造業」、「労働者派遣業」の順。二次下請では「金型・同部分品・付属品製造業」、次いで「受託開発ソフトウェア業」、「自動車部分品・付属品製造業」の順だった。
  4. 売上高規模別では、全体では「1~10億円未満」が4903社(構成比55.8%)で最多となった。業績動向では、2017年度は2079社(同23.5%)が増収となり、「減収」企業(1017社、構成比11.5%)の2倍超となった。
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