レポート

警備業界の動向と展望

2025/08/29

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

警備

2024年度
2025年度

■SUMMARY

警備業界は、事故や犯罪、不測事態から顧客の生命・身体・財産を守る事業であり、施設警備、交通誘導・雑踏警備、運搬警備、身辺警備の4種に分類される。特に施設警備と交通誘導・雑踏警備の需要が高い。

業界は大手企業による寡占と中小零細事業者の二極構造が特徴であり、小規模事業者が約9割を占める一方で、施設警備では機械警備が一般化し、大手2社による寡占化が進んでいる。

警備業界の主な課題としては、人手不足と高齢化が挙げられる。警備員の年齢別構成比では60歳以上が約半数を占めており、70歳以上も多い。また、機械警備の普及に伴い、人件費の上昇や警備単価の値上げが求められるが、価格転嫁がスムーズに進まないことが業績に影響を及ぼす可能性がある。さらに、SNSを通じた「闇バイト」などの特殊犯罪が増加しており、これに対する対応も求められている。

市場動向を見ると、2023年度は侵入盗の認知件数が前年比で増加し、警備業の需要も増加基調となった。機械警備の対象施設数に占める住宅の数も増加した。2024年度は侵入盗の認知件数が減少したものの依然高水準であり、警備業の需要も引き続き増加している。2025年度も侵入盗や特殊詐欺の増加が警備需要を支えるが、人手不足や人件費増加が引き続き課題となる。

このレポートでは、警備業界の最新動向や市場展望、業績動向について解説する。また、業界が直面している人手不足や高齢化、特殊犯罪への対応といった課題についても述べる。市場動向については、2023年度から2025年度までの侵入盗認知件数や機械警備の対象施設数の推移を解説し、企業の業績動向では2023年度、2024年度の実績と2025年度の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • 警備業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
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