レポート

ホテル・旅館業界の動向と展望

2025/08/29

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

ホテル・旅館

2024年度
2025年度

■SUMMARY

ホテル・旅館業界は、宿泊施設の提供を中心に、館内レストランや結婚式場など多様なサービスを通じて収益を上げる産業である。ビジネスホテル、リゾートホテル、シティホテルなど、利用目的に応じた施設形態が存在し、国内外の観光需要に対応している。新型コロナウイルス感染拡大によって一時的に大きな打撃を受けたが、近年は観光振興策やインバウンド需要の回復を背景に、市場規模はコロナ禍前を上回る水準にまで回復している。

一方で、業界が抱える課題も多い。特に人手不足は慢性的な問題となっており、コロナ禍で流出した人材が戻らない状況が続いている。加えて、光熱費や食材費の高騰などによるコスト増も業界全体に影響を与えている。こうした課題に対し、各社は待遇改善やIT技術の導入による業務効率化、省力化投資の推進などを通じて対応を図っている。政府による補助金制度の活用も進み、清掃ロボットや自動チェックイン機などの導入が加速している。

市場動向を見ると、2023年度は宿泊者数がコロナ禍前の水準を上回り、国内旅行需要とインバウンド観光が業界を牽引した。2024年度もインバウンド需要が堅調に推移し、訪日外国人観光客数は過去最高を更新した。2025年度に入ってもインバウンド需要は引き続き拡大しており、宿泊者数は緩やかな増加傾向を示している。一方で、日本人の国内旅行需要は物価高騰の影響などで伸び悩んでおり、今後の市場成長には外国人観光客の受け入れ体制の整備が重要となる。

このレポートでは、ホテル・旅館業界の市場動向、直近の宿泊者数の推移、インバウンド需要の拡大、企業の業績動向について解説する。また、業界が直面する人手不足やコスト増への対応、省力化投資の進展、インバウンド対応力の強化などについても取り上げる。市場動向は2023年度から2025年度までの宿泊者数や観光客数の推移を中心に、業績動向は各年度の収益傾向と今後の見通しを掲載する。

■CONTENTS

  • 業界の概要
  • 市場の動向と展望
  • ホテル・旅館業の業績動向
  • 統計データ、関連法規・団体
  • 業界天気図
  • 関連コンテンツ
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