レポート「レオパレス21」グループの栃木県内下請企業実態調査

「レオパレス21」県内下請先は71社 ~ 業況不振に加えてコロナ禍の影響懸念 ~

2020/07/03
サプライチェーン  ガバナンス  建設・不動産

はじめに

賃貸アパート大手のレオパレス21(東証1部)の2020年3月期の連結最終欠損は約802億円で2期連続の赤字となった。2018年から2019年にかけて同社が施工した物件において、界壁の施工不備、界壁内部充填剤の相違、外壁構成における大臣認定との不適合、天井部施工不備などが発覚し、杜撰な管理体制が多くのマスコミに報じられた。同社は以降、再発防止策を策定し、改修工事に取り掛かったが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、改修工事は中断、入居率の低下も余儀なくされ、厳しい経営環境を強いられている。

上場企業(大企業)の業績不振は、下請企業への影響も大きい。そこで、帝国データバンク宇都宮支店では、企業概要ファイル「COSMOS2」に収録されている栃木県内企業約2万2000社のなかから、レオパレス21グループと直接、間接的に取引がある下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、業種、年商規模、所在地など実態を集計・分析した。レオパレス21グループの下請企業実態に関する調査は、2019年6月に次いで3回目。

■調査対象は、レオパレス21本体のほか、同社の2018年度・有価証券報告書に記載がある連結子会社で、建築請負事業を手がける、(株)もりぞう(東京都中野区)の計2社とした

■抽出条件は、建設、製造、卸売、サービスの4業種<食品、繊維などレオパレス21グループの本業と関連の薄い業態は除く>で、資本金3億円以下の事業者(個人含む)を「下請先」とした

■レオパレス21グループの複数社と取引関係がある企業については「1社」としてカウントした

■取引の有無、売上高、所在地は最新のものとしたが、調査後に変動している可能性もある

調査結果

  1. レオパレス21グループの栃木県内下請企業は、71社(一次下請先8社、二次下請先63社)あることが判明、取引先数の全国順位は23位、下請先の総従業員数は1593人であった
  2. 業種別にみると、一次下請先では「はつり・解体工事業」など8業種に各1社存在、二次下請先は「土工・コンクリート工事業」が5社で最多であった
  3. 年商規模別では、「1億~10億円未満」が41社(占有率58.6%)で最も多かった
  4. 市郡別の分布では、「宇都宮市」に20社が集中、以下「足利市」が15社、「栃木市」が8社と続いた
詳細はPDFをご確認ください

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