レポート栃木県内における「トヨタ自動車グループ」下請企業調査(2021年)

県内の下請企業は435社 ~ 県内下請企業の業績、20年度は78.5%が減収 ~

2021/07/09
サプライチェーン  輸送機械

はじめに

アメリカのテスラ社をはじめ、海外では明確に電動化を打ち出すメーカーが相次ぎ、国内メーカーにおいてもそれに追随する動きは鮮明である。先日、本田技研工業は真岡市に拠点を置く「パワートレインユニット製造部」が、2025年中に閉鎖することを発表し、県内取引業者をはじめ自動車関連業界に大きな衝撃が走った。業界再編の大きなうねりの始まりと捉える向きもあり、特に内燃機関に携わる下請企業は確実に今後仕事がなくなることは目に見えており、環境変化に対応していかなければならない事態となっている。

そのようななか、トヨタ自動車はBEVに加え、水素を燃料とした水素エンジン車、燃料電池車(FCV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)など、多様なパワーユニットの開発に着手、BEV以外のカーボンニュートラルに向けた道のりを探っている。こうした同社の動きや、業界全体の今後の動きにも下請企業は細心の注意を払って注視していく必要があるだろう。

そこで、帝国データバンク宇都宮支店では、県内のトヨタ自動車グループ取引企業の実態について調査し、業種や業況などを把握した。

帝国データバンクは、トヨタ自動車グループ※と直接・間接的に取引のある下請企業(一次下請・二次下請)について、保有する企業概要データベースを対象に分析を行った。なお、県内企業に対する調査は2019年3月以来2年ぶり3回目。


■トヨタ自動車グループとは、トヨタ自動車及び同社の国内製造子会社・持分法適用関連会社など計15社が対象。なお、新・アイシン(旧・アイシン精機)については吸収した旧・アイシン・エィ・ダブリュの下請企業を含む
■トヨタ自動車グループの複数社と取引関係がある企業については1社としてカウント。なお、取引の有無・売上高・所在地は最新の調査データを反映しているが、その後変動している可能性がある
■対象は「製造・卸売・サービス」の3業種のうち、自動車製造、またはそれに関連した商材を取り扱う企業で、かつ資本金3億円以下の企業を「下請企業」と定義している

調査結果

  1. トヨタ自動車グループ(主要関連会社・子会社計15社)の下請企業は、栃木県内に435社確認できた。一時取引先35社、二時取引先400社である。前回調査から31社増加した
  2. 業種細分類別に見ると、一次下請では「機械工具製造業」をはじめ、「パッケージソフトウェア業」、「受託開発ソフトウェア業」などが並んだ。二次下請では、「金属プレス製品製造業」が28社で最多であった
  3. 下請企業の2020年度業績は、「増収」:16.4%、「減収」:78.5%、「前期並み」:5.1%と、コロナ禍の影響による生産調整の影響が色濃く出た
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